コロナ禍で主力欠く広島 4点差追いつきドロー 同点犠飛の坂倉「残っている人たちでやらないと」

[ 2021年5月28日 05:30 ]

交流戦   広島4-4西武 ( 2021年5月27日    マツダ )

<広・西>6回、安部の適時打で生還し、ナインとエアタッチする坂倉(右)(撮影・成瀬 徹)
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 広島は、試合再開初戦となった27日の西武戦で、最大4点劣勢から今季6度目の引き分けに持ち込んだ。新型コロナウイルスの陽性判定で菊池涼、鈴木誠ら主力を欠く中で14安打を集中。坂倉将吾捕手(22)が同点犠飛を含む3安打2打点と打線をけん引するなど、交流戦初戦からチーム一丸となって戦った。

 再開初戦で放った14安打のうち単打は実に12本を数えた。コロナ禍で主力を欠く打線が「つなぎの意識」を徹底した成果だった。4得点に終わったとはいえ、佐々岡監督は一丸の姿勢を示した打線をたたえた。

 「みんなでつないでつないで、良い攻撃だった。あと1本というところはあったけど、よく追いついた。こういう状況の中でチーム一丸、一つになって戦うということでコツコツとやってくれた」

 4点を追う2回、先頭の4番・西川からクロン、坂倉と3者連続の単打で1点を返したのが口火となった。西川は、球団独自の判断による自主隔離で18、19日の巨人戦を欠場。離脱前は不調で7番に降格していたが、緊急事態で4番に戻り、結果を出した。

 「何とか四球でも失策でも塁に出て、みんなでつないでいきたい。きょうみたいにつないで点を取れたことは良かった。みんなが帰ってくるまで我慢してやることが大事」

 3―4の7回1死一、三塁では、坂倉が1ストライクから森脇の直球を右翼へ打ち上げ犠飛で同点に追いついた。坂倉は1打席目から3打席連続で安打を放ち2打点。引き分けに持ち込んだ立役者が口にしたのも、西川と同じく一丸への思いだった。

 「僕ら残っている人たちでやらないといけない。僕一人だけということではなくて先輩たちがいる。先輩の意見も聞いて話し合いながら。でも、ポジションがポジションなので、その中で引っ張っていけるようにしたい」

 試合前まで今季のチーム安打数は345本。そのうちコロナ禍で離脱した11選手の安打数の合計は、チーム全体の約48%(164安打)を占めていた。

 21日の阪神戦から5試合連続中止と実戦感覚も乏しい中で、今後も厳しい戦いが続く。指揮官は「とにかく全力でチーム一丸となって戦っていくだけ」と改めて強調した。(河合 洋介)

 【広島コロナ経過】
 ▼5月17日 菊池涼、正随、小園のコロナ感染が判明。
 ▼18日 球団の判断で感染者以外の磯村、石原、松山、大盛、西川も出場選手登録を抹消。計16人の1、2軍入れ替えを行う。
 ▼20日 鈴木誠、長野、石原、大盛、羽月の5選手に朝山打撃コーチ、チームスタッフ1人のコロナ感染が判明。
 ▼21日 マツダスタジアムで予定していた阪神3連戦の中止が決定。倉バッテリーコーチのコロナ感染が判明。
 ▼22日 森下、高橋昂が管轄保健所から濃厚接触者と判定されたと発表。
 ▼23日 九里のコロナ感染が判明。
 ▼25日 臨時実行委員会で25、26日の西武戦(マツダ)の延期を決める。
 ▼26日 24日から3日連続で陽性者が出なかったため、27日の西武戦(同)から試合を再開すると発表。

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