既にMLB記録タイ シーズン6人のノーヒッター誕生ラッシュ

[ 2021年5月21日 13:15 ]

ノーヒットノーランを達成し喜ぶヤンキースのクルバー(AP)
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 大リーグでノーヒッターが止まらない。19日にタイガースのターンブルがマリナーズ相手に初の無安打無得点試合を達成すると、20日にはヤンキースのコリー・クルバーがレンジャーズ相手に許した走者は四球により一人のみの準完全試合でノーヒットノーランを達成した。

 2日連続のノーヒッター誕生は、1969年4月30日のジム・マロニー(レッズ)と、翌5月1日のドン・ウィルソン(アストロズ)以来、実に52年ぶり。また1990年6月29日には、フェルナンド・バレンズエラ(ドジャース)と、デーブ・スチュワート(アスレチックス)が同日にノーヒットノーランという快挙を演じている。

 これで今季は4月9日のジョー・マスグローブ(パドレス)、同14日のカルロス・ロドン(ホワイトソックス)、5月5日のジョン・ミーンズ(オリオールズ)、同7日のウェード・マイリー(レッズ)に続き、6人のノーヒッターが誕生。実は既にメジャー最多記録に並んでいる。

 大リーグのシーズンノーヒットノーラン最多回数は1990、1991、2012、2015年に記録された7度で、あと1に迫った、という報道が多い。ただし大リーグ公式サイトは、継投での無安打無得点試合も同様にカウント。過去の例にある1990、1991、2012年はいずれも継投での無安打無得点試合を含んでおり、一人の投手が投げきったノーヒットノーランは90、12年の6度まで。また2015年の7度は全て一人の投手が投げ抜いているのだが、マックス・シャーザー(ナショナルズ)が6月20日と10月3日に2度達成している。「ノーヒッター6人」という観点では、5月の時点で既にメジャー記録に並んでいる。また4月25日には特別ルールとなる7イニング制のダブルヘッダーで、マディソン・バムガーナー(Dバックス)が参考記録となる非公式のノーヒットノーランを達成してもいる。

 要因を一つに集約するのは乱暴だが、今季から導入された低反発球の影響は間違いなくあるだろう。増加傾向にあった本塁打数抑制への飛ばないボール。飛距離375フィート(約114メートル)の打球で、1~2フィート(約30~60センチ)抑えられるという。

 5月の月間4度というノーヒットノーランも、90年6月に並ぶメジャー最多記録。今後の記録更新の可能性は十分にある。圧倒的な投球が続くダルビッシュ有(パドレス)の快挙への期待が膨らみ、一方で低反発球をものともしない大谷翔平(エンゼルス)の快打に驚かされるばかりだ。(記者コラム・後藤 茂樹)

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2021年5月21日のニュース