阪神 鬼門・バンテリンドームで7連敗…矢野監督「流れがあるから」、サンズ痛恨ゲッツーで逸機

[ 2021年4月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-6中日 ( 2021年4月28日    バンテリンD )

<中・神>8回1死一、三塁、サンズは一塁に必死に駆け込むも、遊撃併殺打に倒れる(撮影・椎名 航)
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 阪神は28日の中日戦で1―6で敗れ、バンテリン(ナゴヤ)ドームでは今季2戦2敗で、昨季から7連敗になった。7、8回に代打、代走を続々と繰り出した矢野燿大監督(52)の勝負采配は及ばず、2位・巨人に再び1ゲーム差への接近を許した。悲願の16年ぶりリーグ優勝には「鬼門突破」が欠かせず、29日に移籍後初登板初先発するチェン・ウェイン投手(35)に期待が高まる。

 名称は変わっても、相性は変わらなかった。1点差に迫った直後の8回に岩貞が4失点して万事休す。2戦連続の1得点と打線が振るわず、竜の本拠地ではナゴヤドーム時代の昨年から7連敗となった。特に7回2死で降りるまで1点も奪えなかった勝野について「簡単ではない相手だった?」と問われた矢野監督は敗戦を受け止めながらも白旗は揚げなかった。

 「そう言っているだけやったら、その可能性が出てしまうんで。それを何とかしていくというのを、チーム全体でやっていくようにします」

 序盤から力強い真っすぐと落差のあるフォークに苦しみ、甲子園では好調だった打線が4回までに7三振。勝野とは昨季5度の対戦があり、甲子園では3度黒星を付けた一方、敵地では2戦計12回で2得点、勝野から見て1勝0敗と攻めあぐねていた。

 打てる手は尽くした。7回2死から梅野が中前打すると、左打者の木浪に右打者の陽川を代打起用。セオリーに反する采配が的中し、初球を中前打して勝野をマウンドから降ろした。さらに陽川には代走・山本。青柳の代打で送った糸井が代わった福に遊ゴロに打ち取られ、惜しくも点にはならなかった。

 続く8回の攻撃でも糸原、大山の主力に、より足の速い熊谷、中野を相次いで代走で送った。マルテの中犠飛で1点を返し、なお1死一、三塁で勝負強いサンズが遊ゴロ併殺打。「野球って流れがあるから。一気にいきたかった」。9回打ち切りを考慮し、やれることは全てやっての敗戦だった。

 北川打撃コーチはバンテリンドームでの戦い方について「つながりしかないと思う。一発という個人の技術よりも、チームとして1年間戦っていく中で、打線が切れ目なく攻撃できるというのが大事になっていく」と強調した。佐藤輝の加入もあり、今季は効果的な本塁打で打ち勝つ試合も多かったが広いドームではそうはいかない。この球場を知り尽くすチェンが先発する第3戦、チーム一丸の攻撃で左腕を援護し、苦手意識も払しょくといきたい。 (山添 晴治)

 《最長13連敗》阪神は昨季からバンテリン(ナゴヤ)ドームで7連敗。97年の開場以降、通算勝率・356(101勝183敗6分け)と苦手で、年またぎを含む最長連敗は99~00年の13。年間最低勝率は00年の・083(1勝11敗)で、チームの低迷期も重なった。06年は開幕10連敗を喫し、9月17日の最終戦に2―0で勝って、全敗を免れたこともあった。

 ▼阪神・北川打撃コーチ(勝野に苦戦)勢いある真っすぐをしっかり打ち返そうとしていた中で、それを仕留められなかったのと、低めの変化球への手出しが目立って、カウント不利な形で進めてしまったのが一番の反省点だと思います。

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