ヤクルト・奥川 開幕ローテ入り決定!3戦目28日ノムさん追悼試合、2年目19歳右腕「全力出し切る」

[ 2021年3月22日 05:30 ]

オープン戦   ヤクルト6ー8西武 ( 2021年3月21日    メットライフD )

<西・ヤ>ヤクルト先発の奥川(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 ずばぬけた修正力で開幕ローテーションをたぐり寄せた。ヤクルト・奥川が今回の登板に向けた1週間で定めたテーマは、「直球の質や精度の向上」。成果が数字に表れた。

 2回2死、打席には中村。19歳右腕は通算424本塁打を誇る強打者に、4球全て150キロ超えの直球を投じ、外角150キロで空振り三振を奪った。

 「しっかり腕も振れてきて、シュート回転して弱いボールがいくのは修正できていると思う」。最速は151キロ。今春ここまで最速148キロだった直球の29球中15球と半分以上が大台を超えた。5回1死二、三塁でめどだった80球に迫る77球に達して降板。救援陣が打たれたため、4回1/3を投げ6安打3失点だったが、潜在能力の高さは十分に発揮した。

 18日と20日の計2回行ったブルペン投球。「投げて調子を上げようと」とフォームのバランスを改善したことが奏功した。球速差のある2種類のスライダーとフォークも交え、4奪三振。高津監督は「3月28日の日曜日に先発させます」と中6日で開幕3戦目の阪神戦(神宮)先発を明言した。野村克也元監督の追悼試合として開催される一戦を、将来のエース候補に託す。

 奥川の修正力は少年時代から備わっていた。小学生時代に所属した宇ノ気ブルーサンダーで監督として指導した広瀬勝巳代表は「改善点を指摘すると、いつも次の練習までにはきちんと直してきた。直せても元に戻ってしまう子が多いですが、彼は一度直せたら、戻ることはない子でした」と証言。大事な1週間でも発揮された。

 高津監督は「彼の野球人生の5年後、10年後、15年後と考えた時に、2年目にローテーションに入って頑張ったと言えるようなシーズンにさせたい」と思い描く。開幕後も球数制限を設け、徐々に増やしていく方針だ。「頂いたチャンスをものにできるように全力を出し切りたい」と奥川。プロ初勝利に向け、日々成長を遂げる。(青森 正宣)

 【奥川と一問一答】 

 ――収穫と反省は。

 「ストレートも変化球もどんどん良くなってきているのは収穫。走者を抱えた時に甘く入って、ヒットを打たれて失点したのは反省です」

 ――プロ入り後最長の4回1/3を投げた。

 「昨年は全然投げられなかった中で、今年に入って順調に球数も増やせている。どんどん投げていけば、スタミナに関してもちょっとずつ良くなって、心配ないのかなと思います」

 ――初の開幕ローテーション入り。

 「まだ、つかんだという感じでは全くない。オープン戦も結果も出していない中で投げさせてもらえることになって、もちろん責任も感じていますし、結果を出さないと、他の投手にポジションを取られてしまうと思う。一試合一試合、全力を出すだけです」

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月22日のニュース