北別府さん「元気な姿で、生の声で」“214勝目”に大きな一歩 白血病公表から1年2カ月ぶり復帰

[ 2021年3月20日 15:33 ]

北別府学氏
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 広島のエースとして通算213勝を挙げ、昨年1月に成人T細胞白血病(ATL)を公表後に療養していた野球解説者の北別府学さん(63)が19日、レギュラーコメンテーターを務める広島ホームテレビ「みみよりライブ 5up!」(月~金曜後4・39)にサプライズ出演。約1年2カ月ぶりに“現場復帰”を果たした。22日にはレギュラーコメンテーターとしても復帰する。

 北別府さんは昨年1月20日に成人T細胞白血病を患っていることを公表した。復帰にあたり、同局を通じて喜びのコメントを発表。まずは公表から1年以上が経過した現在の心境について「どういう病気かよく分からないうちに公表して、1、2年後はどうなっているのか、3年後(生きて)いるのかなという状況の中で 治療して。まだ完全に元の状態ではないけど、ここまでの一年間を見ると、順調に回復してきていると思う」と振り返った。

 コロナ禍により当初の予定が先送りになったものの、昨年5月19日には次男をドナーとする骨髄移植を受け、7月11日に退院。「第2期の入院までは、あっという間だった。半年もすれば良くなるのかなと思ったけど、移植後は体調が回復しなかった」とし「熱が出たり、体に湿疹が出たり。去年7月に退院したけど、約半年は小康状態で長いなっていう。もう少し元気になって、グラウンドを走れるようになってもおかしくないよなっていう思いはあるけど 焦ってはいけない」と当時を回想した。

 その後は自宅で療養していたが、GVHDという移植後特有の合併症状により12月23日には再入院した。「救急車で運ばれたのは(人生で)初めてでしたからね。もう動けないんだもん。意識はしっかりあったんだけど、体を起こそうと思っても、力が入らない。元気だと思っても、以前のようなことはないので、気をつけないといけないなと」。それでも大みそかには退院。現在は一時は20キロほど落ちた体重や筋力を戻すためのリハビリに励んでいる最中だ。

 「やっとこの1月に入って、新しいカレンダーを出して、予定を書くようになった。この日はこの仕事があるから、行かなければいけないんだという準備。足腰は鍛えなきゃいけないけど、気持ちが前向きになったんだと思うんだよね」。先月16日には、スーツを新調。生地やデザインの打ち合わせが進む中で「(カープの)先輩たちが着ている茶色のスーツが格好良くて。周りの大反対を押し切って、茶色を選んだ。やっぱり似合わなかったけどね」と入団当時の記憶も振り返った。

 「僕が番組に戻ってくることで、同じ病気をされている方、同じではなくても病気をされた方に勇気を与えるんじゃないかと。元気な姿で、生の声でお伝えしたいと思います」。大金星となる“214勝目”を掴み取るため、前向きだ。19日に自身のブログで「本当に夢のようです。ありがとうございました」と感謝の言葉をつづった北別府さん。一夜明けた20日には「一年二ヶ月ぶり。心臓がバクバクしていましたよ」とした上で「私のコーナーを代わりに務めてくれた達川さん。ベッドの上でいつも拝見し笑わせてもらいました」と現役時代にバッテリーを組んだ元広島監督の達川光男さん(65)にも感謝していた。

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2021年3月20日のニュース