【森繁和 視点】岡本封じに見た楽天・田中将大の高め直球の使い方 他の投手も見習ってほしい

[ 2021年3月20日 17:36 ]

<オープン戦 巨・楽(1)>力投する田中将 (撮影・白鳥 佳樹)
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 楽天の田中将大投手(32)が20日、開幕前最後の実戦となる巨人とのオープン戦(東京D)に先発登板。7回を投げ89球3安打1失点と万全の仕上がりを示した。スポニチ本紙評論家の森繁和氏(66)は「高めの直球」の使い方を絶賛した。

 
 7回1失点と好投した楽天・田中将の投球術を、ぜひ日本の他の投手も見習ってほしいと思う。投球の基本は「低め」が常識とされる。しかし田中将は高めの直球を意識的に、実に上手に使う。6回1死で岡本和を迎えた場面。1ストライクからの2球目、捕手の太田はミットを高めに構えた。ベルト位置よりやや上。そこに投げ込まれた直球に岡本和は中途半端なスイングでファウル。最後は低めスライダーで遊ゴロに仕留めた。

 高低の揺さぶり。高めに投げるのはリスクと隣り合わせではあるが、力のある回転のいいボールならファウルや空振りになる。これでカウントを稼ぐのが田中将の投球術の一つだ。高めの残像が打者の脳裏に残ることで、低めの変化球も生きる。昨季までプレーしたメジャーでは「フライボール革命」で低めを打ち上げる打者が多かった。有効になるのは高め。その経験から身につけた配球のパターンだろう。

 開幕前のラスト登板。非常に順調だと思う。この日の最速は150キロだったが、シーズンに入って投げれば投げるほど、直球のスピードも上がってくるはずだ。

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2021年3月20日のニュース