打っても矢野、守っても矢野 広島ドラ6が攻守に存在感 佐々岡監督「いいもの見せてくれた」

[ 2021年2月17日 05:30 ]

練習試合   広島0-7ロッテ ( 2021年2月16日    コザしんきん )

<広・ロ>7回に華麗な守備を披露した広島・矢野(撮影・成瀬 徹)
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 広島のドラフト6位・矢野雅哉内野手(22=亜大)が16日、今春初の対外試合となるロッテとの練習試合(コザしんきん)で攻守に存在感を発揮した。8番・ショートでフル出場。自慢の守備で好守を発揮すれば、打席でも好機で中前打を放った。試合は0―7で完敗。若ゴイが軒並み低調だった中、佐々岡監督は「いいものを見せてくれた」とルーキーを評価した。

 ロッテとの今春初の対外試合で期待のルーキーが開幕1軍入りをアピールした。「自信がある」という守備はもちろん、バットでも実戦初打席で「H」ランプをともした矢野。若手が軒並み低調だっただけに、その躍動ぶりが目立った。

 「緊張感はあまりなくて、やってやるという気持ちの方が強かった。思ったより自分の動きができたので、良かったと思います」

 まずは遊撃守備だ。0―1の2回、なおも1死一塁で山口のゴロを前進処理し、振り向きざまの正確な送球で6―4―3の併殺を演出。3回には中前に抜けそうな先頭・佐藤の当たりを横っ跳びで好捕。一塁手・クロンが捕球ミスしたものの、機敏な動きが光った。

 「(3回は)いいスタートが切れ、送球もノーバウンド。クロンに謝られました。ああいう体勢でも正確に放るのがいい内野手なので満足せず、もっと高く目指したいです」

 バットで魅せたのは2回だ。2死二塁の好機で、大嶺の内角球を捉えてライナーで中前へ。二走・大盛が本塁で憤死し、適時打にはならなかったものの、実戦に強い一面を披露した。ただ以降2打席は凡退し、打撃では反省ばかりが口を突く。

 「アピールできたかなという思いもありますが、3打席ともファーストストライクを打ちに行けなかったのは一番の反省点です」

 玉木内野守備走塁コーチが「今でも普通に(1軍で)守れる。ただ、彼にはそれ以上を期待したい」と言うように、守備力には既に定評がある。課題は打撃で、強いスイングが目下のテーマ。朝山打撃コーチは「“全球打ちに行け”と伝えた」とし、巧打者を矢野が目指す像に挙げた。

 「打撃も成長している。守備面はいいものを見せてくれた」
 佐々岡監督は、対外試合初戦でアピールした実戦派のルーキーに目を細める。入団会見で掲げた「開幕1軍入り」へ。22歳は好スタートを切った。(江尾 卓也)

 <矢野 雅哉アラカルト>

 ☆生まれ&サイズ 1998年(平10)12月16日生まれ、大阪府大阪市平野区出身の22歳。1メートル71、70キロ。右投げ左打ち

 ☆球歴 川辺小1年から野球を始め、長吉西中では大阪平野ボーイズで捕手。育英では1年秋からベンチ入り、2年から二塁、遊撃でレギュラー。甲子園出場はなし。亜大では1年春からベンチ入り。3年秋に首位打者。主将の4年秋は8季ぶりの優勝

 ☆アピールポイント 遠投130メートルの強肩と50メートル5秒9の俊足を生かした守備

 ☆座右の銘 明日死ぬかのように生きよ

 ☆尊敬する人 育英・安田聖寛監督

 ☆好きな野球選手 平野恵一(現阪神2軍打撃コーチ)

 ☆好きな芸能人 有村架純

 ☆趣味 韓国ドラマ、映画観賞

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