広島・佐々岡監督“一目ぼれ”、ドラ1栗林はキャッチボールにも片りん「早く投球見たい」

[ 2021年1月11日 05:30 ]

<広島新人自主トレ>キャッチボールを行う栗林(撮影・成瀬 徹)
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 広島の佐々岡真司監督(53)が10日、廿日市市の大野練習場で2日目を迎えた新人合同自主トレを視察した。開始前の訓示で心構えを説き、育成を含む7選手の軽快な動きに感心。中でも、ドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)には「自分の考えを持ってやっている」と目を細め、即戦力としての期待を膨らませた。 

 午前9時50分。大野練習場に入った佐々岡監督は、合同自主トレ2日目に臨む7選手を前に訓示。「コロナ禍の厳しい状況で調整は難しいと思う」と切り出し、キャンプ準備期間の重要性を約3分間にわたって説いた。

 「緊張や不安、いろんな感情があると思うけど、ケガをしないようにしっかり体力づくりに励み、2月にアピールしてほしい」

 6日に広島入りしてPCR検査を受け、陰性確認後の8日に入寮するまで、選手は体を動かせていない。徐々に強度を上げている段階ながら、それでも1人として見劣ることなく、7人全員がトレーニングにノックに軽快な動きを披露した。指揮官もニンマリだ。

 「今年は、みんなが平均的にバランスよく動けている。12月にしっかり準備してきてくれたと感じる」

 中でも、目に留まったのがドラフト1位・栗林のキャッチボールだ。11月末の都市対抗野球で投げた疲労などを考慮し、当面は抑え気味の調整を公言する右腕。力感には欠けても、投球の際の動作一つ一つが佐々岡監督には際だって見えた。

 「いろいろ考えながら自分のフォームで投げていた。前で(ボールを)放すとか、下半身を使うとか。普通は前のめりになりがちだけど、自分の考えを持ってやっている。早く投球が見てみたい」

 それこそが社会人を経験した栗林の値打ちだ。大野練習場には大瀬良や中崎、一岡らが合流。「大瀬良さんの邪魔にならない程度に、投球や体づくりのことなどを聞いてみたい」。憧れや探究心は隠せなくても、指揮官が説いた言葉はしっかりと胸に刻む。

 「ケガしたら多くの人に迷惑をかけるし、お金も稼げなくなる。自分の体を大事にしないといけない…と社会人の時より強く思う。キャンプで投げ込めるように、しっかりやらないといけない」

 マイペースでも際立つ存在感。昨春の森下しかり。24歳への期待は膨らむばかりだ。(江尾 卓也)

 《練習場はPCR検査義務付け》広島は、年明け後初めてマツダスタジアムと廿日市市内の大野練習場を選手に開放した。利用者には8日に新型コロナのPCR検査を義務付けて陰性を確認。初日はマツダスタジアムに坂倉、遠藤ら7人、大野練習場には大瀬良、中崎、西川ら主力選手が訪れた。年末年始を故郷で過ごした遠藤は「茨城も感染者が増えていて、グラウンドと家の往復ぐらいしかできずに怖かった。無事に(広島に)戻って来られて良かった」と安どした。他の場所で自主トレ中の選手も両施設の使用には陰性確認が必要になる。

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