チェンのツーシーム習得で、阪神・遥人はエースになる! 「左打者に食い込むボールあれば変わる」

[ 2021年1月11日 05:30 ]

阪神・藤浪晋太郎(左)に肘タッチをする高橋遥人=鳴尾浜
Photo By 代表撮影

 阪神の高橋遥人投手(25)が10日、新加入したチェン・ウェイン投手(35=前ロッテ)から小さく動くツーシームを学び、左打者の内角攻めに活用する考えを明かした。年明け初めて鳴尾浜球場を訪れ、報道陣の代表取材に対応。通算10勝にとどまった過去3年間を自戒し、今季4年目へエース格としてのフル回転を誓った。

 最大の武器である真っすぐに、曲げたり落としたりの変化球…。高橋は持ち球で唯一足りなかった「シュート系」の習得を今季の課題とした。その格好の先生となるのが、新加入した同タイプの左腕で日米通算95勝を誇るチェンだ。

 「日本でもメジャーでも活躍されて全部を見習いたいですが、いま聞きたいことは小さく動くツーシーム。僕のはどちらかというと落ちる感じで、チェンさんは細かく動くみたい。左打者に食い込むボールがあれば変わると思う」

 亜大の1年後輩にあたるロッテ・中村稔から、チェンを参考にするよう薦められたという。亜大OBが多用するツーシーム=通称「亜細亜ボール」はフォークボールのように低めに沈む軌道で、空振りを奪うには効果的。落差を無くすことでプラスアルファとして「シュート」の効果も思い描いた。

 「どうやって投げているのか…。チェンさんから見て盗まないといけない部分もあると思いますが、分からないことはしっかりと聞きたいなと思います」

 共同通信デジタル「翼」によれば、昨季は対右打者では内・中・外の配球の割合がすべて30%台とまんべんなく投げ分けているのに対し、対左は内20・4%、中30・4%、外49・2%と偏っている。これでは狙われて踏み込まれやすい。対左の被打率・299が、対右の・194よりも1割以上も悪く、数字にも顕著に表れている。

 「結果的に甘えてしまっている3年間になっている。今年は1年間、1軍で先発ローテーションを守るのが大前提というか一番の目標。そして負け数よりも、勝ち数を大きくしたい」

 左打者の内角を攻めきることが、入団からの3年間を2勝(3敗)、3勝(9敗)、5勝(4敗)と爆発しきれていない現状を打開する大ヒントになる。ほんの少し食い込ませるだけでいい。芯を外すだけで詰まらせてゴロで打ち取れる。従来のツーシームに新型を追加し、真のエースに上り詰めたい。 (畑野 理之)

 《菅野との再戦楽しみ》高橋は巨人残留が決まった菅野との再戦も楽しみにした。昨季の投げ合いは3度で、高橋1勝、菅野2勝。10月24日の東京ドームでは6回1失点に抑え、7回2失点の菅野に通算4度目で初めて投げ勝った。「僕はただ挑むだけで、あまり意識はしていなかった。今年も投げ合えたら、少しでも互角になるピッチングができればいいかな」。エース格の直接対決の結果が、そのままペナントレースの行方を大きく左右しそうだ。

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2021年1月11日のニュース