菅野 決意の巨人残留、初の20勝&日本一で「また米に挑戦」

[ 2021年1月11日 05:30 ]

米国から帰国し、リモートでの取材に応じた巨人・菅野
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 ポスティングシステムによる移籍を目指して大リーグ球団と交渉し、残留を決めた巨人・菅野智之投手(31)が10日、オンラインでの取材に応じた。コロナ下で市場が大きく動かず、かねて夢と語っていたメジャーへの思いをいったん封印。個人の目標に「20勝」を掲げたエースは、巨人のリーグ3連覇、9年ぶりの日本一へフル回転を誓った。

 交渉期限の直前まで悩み抜いた末、下した残留の決断。「100%、自分で納得できるものがなかった」と理由を語った一方で、菅野の目は既に今季の戦いに向いていた。

 「もう気持ちは日本一に向いている。今回向こうにいけなかった悔しさもゼロではない。今から燃えるものがある。(個人の目標は)やっぱり、僕の中では20勝です」

 元日に渡米し、米球団と直接交渉した。代理人のジョエル・ウルフ氏によると、最終的に6球団からオファーを受けたというが、コロナ下で市場が大きく動かず「もうちょっと時間あればなと思ったのはある」と30日間というリミットの中での交渉の難しさも口にした。それでも「次のステップに行く上で、自分の野球人生にプラスになったと確信している」と捉えた。

 ただ、メジャー挑戦の夢が失われたわけではない。米報道では、巨人からは毎オフにメジャーに再挑戦できるオプトアウト(契約破棄条項)が付く4年契約を提示されたとされるが、今後の契約更改交渉に向けて「単年で勝負したいと思っています」と語った。順調なら今季中に海外FA権を取得できる。FA移籍なら交渉期限がないだけに「1年で勝負して、またチャレンジできればチャレンジして。まだ米国に挑戦するチャンスは残っていると思う」と話した。

 9日に帰国した菅野は2週間の自主隔離期間を過ごす。交渉に臨んでいたため、年末はほとんど体を動かしておらず「例年よりはスローペースになる。徐々に上げていければなと思う」と話し、最有力候補となる開幕戦登板に照準を合わせる。

 昨季14勝、防御率1・97でタイトルを獲得し、2度目のセ・リーグMVPに輝いた絶対エースの残留はチームに最大の朗報だ。「巨人で日本一になれるチャンスをもらった。これもまた素晴らしい野球人生」。17年の自己最多17勝も上回る20勝を狙うその先に、悲願の頂点が見えてくる。(田中 健人)

 ≪巨人では99年上原以来なるか≫菅野(巨)が今季20勝以上すれば両リーグを通じ13年田中(楽=24勝)以来8年ぶり。巨人では99年上原(20勝)以来22年ぶりになる。80年以降、両リーグの20勝投手は13人(14度)。うち巨人は3人(4度)が記録しており、球団別では最も多い。また、81年江川、89年斎藤雅はチームの日本一獲得に貢献している。

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