ヤクルト愛!FAライアン残留決定的、25日にも発表 決め手は球団社長の“ささやき”

[ 2020年12月25日 05:31 ]

ヤクルトの小川
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 ヤクルトから国内フリーエージェント(FA)宣言していた小川泰弘投手(30)の残留が24日、決定的となった。25日にも発表される見込みだ。この日、球団側に意向を伝えたとみられる。エースの残留は2年連続の最下位からの脱却を目指すヤクルトに、そしてファンに最高のクリスマスプレゼントになった。

 悩みに悩んだ末に導き出した答えは、愛着あるヤクルトへの残留だった。ここまで球団と複数回の残留交渉を重ねてきた小川だが、複数の球界関係者によると、この日、球団側にチームに残る意思を伝えたもようだ。

 FA宣言期限の最終日だった4日に、権利を行使。球団を通じ「残留するにしても、しないにしても、納得して来年以降の野球人生につなげたい。思いっきり野球をするために、今しっかり悩むことが一つの財産になると思います」と悩める胸中を口にしていた。

 権利を行使せず残留を決めた山田哲や石山とは異なり、20日間かけて考え抜いた。獲得に乗り出していた日本ハムとも水面下で交渉。周囲には「自分に興味を抱いてくれることはうれしい。野球人生の分岐点だし、新しいことに挑戦してみたい気持ちもある」と話し、パ・リーグの舞台に立つ自分も想像し、最善の道を探ってきた。

 残留か移籍か。考える中で、胸に響いた言葉があった。FA宣言2日後の6日に神宮で行われた「ファン感謝DAY」。小川は8月15日のDeNA戦(横浜)で無安打無得点試合を達成したことなどで表彰された。その際、衣笠剛球団社長兼オーナー代行とグータッチを交わし、耳元で「まだ(残留を)諦めてないからな」と語りかけられた。球団トップからの直々の熱いメッセージ。右腕は「あの言葉はうれしかった」と親しい関係者に明かしていた。あの日、ファンが注いだ温かい拍手とともに大きな決め手となった。

 何度も交渉の席を設けてくれた球団の誠意も心に響いていた。4年総額、約7億5000万円の条件提示は最初の交渉から大きくは変わっていない。金銭ではなかった。入団から8年。2年連続で最下位に沈んでいるヤクルトを、エースが立て直す。

 ◆小川 泰弘(おがわ・やすひろ)1990年(平2)5月16日生まれ、愛知県出身の30歳。成章から創価大を経て、12年ドラフト2位でヤクルトに入団。1年目の13年4月3日の広島戦で初登板初先発初勝利。同年は16勝を挙げ、新人王、最多勝、最高勝率を受賞。今年8月15日のDeNA戦で史上82人目のノーヒットノーラン達成。15年プレミア12日本代表。1メートル71、80キロ。右投げ右打ち。

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