オリックス・吉田正、初の首位打者 高打率の秘密は…粘り強さと選球眼

[ 2020年12月25日 05:30 ]

データで振り返る コロナ禍の2020年シーズン

オリックス・吉田正
Photo By スポニチ

 打率を残せる確実性と本塁打を放つ長打力を持ち、三振しない。しかも四球で出塁する選球眼がある――。3年連続全試合出場を果たし、初タイトルの首位打者に輝いたオリックス・吉田正はそんなスーパーマンだった。

 高打率の秘密は、追い込まれてからの粘り強さ。カウント2ストライク後は打率・302(169打数51安打)で、規定以上で3割を超えたのは15年秋山翔吾(西、現レッズ)以来。入団から5年連続2桁弾となる14本塁打を放っており、決して当てるだけの打撃にはなっていない。

 さらに、三振の少なさと四球の多さが際立つ。コロナ禍で120試合制とはいえ、わずか29三振。豪快なフルスイングのイメージからは意外な数字だ。72四球はリーグ5位ながら、四球÷三振は2・48。三振より四球が多いことを示す1・00以上ですら、今季は青木(ヤ)、近藤、西川(ともに日)と4人しかおらず、2・00以上になると、平成以降では06年松中信彦(ソ=2・76)だけという異次元のレベルだ。

 この数字を押し上げたのが敬遠四球。18年から10、12、17個と相手投手の警戒は強まり、3年連続2桁はパで8人目(10度目)。敬遠後の次打者は16打数4安打1四球で、最多の6打席に立ったジョーンズは5打数無安打1四球だった。来季は四球禍にさせないためにも、強力な相棒の出現が望まれる。(記録担当・石丸 泰士)

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月25日のニュース