広島・石原慶 今季限り引退…広島一筋19年 球界最年長捕手 11・7阪神戦でセレモニー

[ 2020年10月13日 05:30 ]

広島の石原慶幸捕手
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 広島は12日、石原慶幸捕手(41)が今季限りで現役を引退することを発表した。16日に会見し、11月7日の阪神戦(マツダ)で引退セレモニーを予定する。球界最年長捕手として迎えた19年目の今季は、左脚を負傷するなど3試合の出場にとどまっていた。低迷期から16~18年のリーグ3連覇など長年にわたって赤ヘルを支えてきた精神的支柱がユニホームを脱ぐ決断を下した。

 
 ついに決断のときが来てしまった。石原慶は球団に現役引退を申し入れて了承された。

 昨季限りで引退した巨人・阿部に代わり、球界最年長捕手として迎えた今季だった。通算57勝を挙げた全試合でコンビを組んだK・ジョンソンの女房役を会沢に譲り、「2番手捕手」には高卒4年目の坂倉が台頭。捕手は世代交代の波にあり、今季は3試合(先発2試合)の出場にとどまっていた。

 限られた出場機会で貫いた全力疾走が引退を早めることになった。8月27日のDeNA14回戦で5回に遊ゴロを放って一塁へ駆け込む際に転倒。左大腿裏付近を押さえ込んで担架で運ばれ、翌28日に登録を外れた。9月1日から3軍に合流。「一日も早く戦列に戻れるように、できることをやっていきたい」とリハビリに励みながら、引き際を意識していたことだろう。

 2年目の03年に116試合に出場して正捕手の座をつかんだ。同年は佐々岡監督がプロ野球史上6人目の100勝100セーブを達成。節目の同9月14日の横浜戦でも捕手を務めた。指揮官にとっても思い出深い女房役の一人である。

 「監督1年目で引退となり、寂しい。まだチームを支えてほしい気持ちは正直あるけど、本人の決断なので仕方ない。ご苦労さまと言いたい。最後が故障というのも頑張った証だと思う」

 離脱前、佐々岡監督は出場機会の多くない石原慶を一度の抹消期間を除いて1軍に同行させ続けた。精神的支柱としての存在価値を現役時代から実感してきたことと無関係ではない。「長く正捕手として頑張ってくれた。僕は達川さん、西山、倉、石原らと(バッテリーを)組んできたけど、その世代では石原が多かった。試合に入ると先輩後輩に関係なく、(投手を)引っ張ってくれる捕手だった」。低迷期から3連覇までを知る希少な経験も重宝された。

 広島一筋19年。捕手以外を守ったことはなく、通算1619試合と1022安打は、いずれも球団捕手では最多。一本筋を通したまま現役生活を終える。(河合 洋介)

 ◆石原 慶幸(いしはら・よしゆき)1979年(昭54)9月7日生まれ、岐阜県出身の41歳。県岐阜商では2年夏、3年夏に甲子園出場。東北福祉大を経て01年ドラフト4巡目で広島入り。2年目の03年から1軍に定着。16年は正捕手としてリーグ優勝に貢献しベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得。09年WBC日本代表。10、11年は広島選手会長を務めた。1メートル77、90キロ。右投げ右打ち。

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