中日・小笠原 「高校野球記念日」の主役 夏のV腕が春のV腕に投げ勝った

[ 2020年8月19日 05:30 ]

セ・リーグ   中日8‐3ヤクルト ( 2020年8月18日    神宮球場 )

<ヤ・中10>中日先発・小笠原(撮影・村上 大輔)
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 8月18日―。

 高校球児にとって、歴史的な一日である。1915年、夏の甲子園の前身である全国中等学校優勝大会が開幕した。

 あれから105年。「高校野球記念日」のこの日、聖地を沸かせた役者が3人も神宮にそろった。中日の先発・小笠原は5年前の15年夏、東海大相模で全国制覇。バッテリーを組んだのは決勝戦で戦った仙台育英の4番・郡司。さらに相手先発・高橋は14年春に龍谷大平安のエースとして全国優勝を経験している。

 主人公はやはり、最後の夏に全国の頂点に立った小笠原だった。2回で早々と降板した相手左腕に対し、6回まで粘って5安打3失点で今季初勝利。「守ってくれた野手の皆さんのおかげです」

 4点リードの2回は4安打で3点を失いなおも1死二、三塁のピンチを背負ったが山崎、山田哲を2者連続三振に仕留め、リードを死守した。

 3回以降はヤクルト打線をわずか1安打に封じコンビを組んだ郡司も「抑えている回はうまく引き出すことができていた」と“決勝バッテリー”で試合をつくり、チームは3連勝。3位・阪神まで1ゲーム差とAクラスの背中も見えてきた。

 球児の歴史的な1日に初白星を手にしたが、球児のように野球を楽しむ大切さを学んだのは異国の地だった。昨年末、ドミニカ共和国を訪れ、ウインターリーグを観戦。「皆、窮屈さがない。適当に野球をやっているように見えるが、野球は楽しんでやるスポーツなんだよと教えてくれた」。プロ入り後、期待されながらも白星が伸びず悩んでいた自分に、無我夢中で白球を追いかけていた頃を思い出させてくれた。

 甲子園交流試合は17日に閉幕したが、小笠原の夏はまだ終わらない。(徳原 麗奈)

 ▽高校野球記念日 1915年(大4)8月18日に大阪府の豊中球場で「第1回全国中等学校優勝野球大会」が開幕。24年の第10回大会から会場が甲子園に変更され、48年に全国高等学校野球選手権に名称を変えた。「夏の甲子園」のルーツにあたる日となった8月18日は、高校野球ファンの間で「高校野球記念日」として親しまれている。

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