大谷“ウインク調整”右目をつぶり球の見え方確認 マドン監督指導「感覚思い出してほしかった」

[ 2020年8月19日 02:30 ]

打撃練習で右目を閉じてバットを構えるエンゼルス・大谷。左端はマドン監督(共同)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が17日(日本時間18日)、ジャイアンツ戦を欠場した。「右肘付近の屈筋回内筋痛」の診断を受けて今季の打者専念が決まり、プレーを再開してから11試合目で初めて。波が激しい打撃の改善に向けたリフレッシュの意味合いが強く、全体練習前の特打ではジョー・マドン監督(66)から直接指導を受けながらバットを振り込んだ。

 午後3時、炎天下のエンゼルスタジアム。特打に臨む大谷のそばには、66歳の知将の姿があった。

 「新しいことに取り組もうとしているのではない。自分の体が覚えている感覚を思い出してほしかった」

 そう話すマドン監督は、ジェレミー・リード打撃コーチとともに身ぶり手ぶりを交えた熱血指導を施した。約20分間。タイミングの取り方、体重移動する際の頭の位置、テークバックで捕手側にひねりすぎる点など、助言は多岐にわたったもようだ。大谷は時折、右目をつぶって構え、打席での球の見え方も確認する場面もあった。

 今月5日以来の欠場。相手先発のT・アンダーソンが今季相性の悪い左投手だったのに加え、指揮官は「練習していることについて整理する時間を与えたかった」と説明した。9日から3試合連続で複数安打の後、直近4試合は下降線。16打席でゴロアウトが8を数えた。ここまで出場16試合で打率・203、4本塁打、10打点と主軸としては物足りない数字。中でも打率に不安定さが表れており、打撃フォームの「整理」に活路を求めた。

 昨季は5月に同様にゴロアウトを量産する時期があった。当時、大谷は「もう一つ(タイミングを)遅らせてバットを(ボールの)下に入れればもっと良い打球が打てる」と自己分析。すり足気味のフォームではなく、右足を上げての素振りを多く取り入れ、球を呼び込むための意識付けで不振を脱却した。

 好調のバロメーターは中堅から左翼方向への強い打球。日本ハム時代にさかのぼり映像をチェックしたというマドン監督は「日本時代の好調時と似ている感覚も出ていた。すぐに(調子を)取り戻すだろう」と期待を寄せた。

 《7度振り無安打…目立つ内野ゴロ》今季の大谷はストライクゾーンの高めは22回(外角、真ん中、内角の合計)、外角低めは7回スイングしているが、一度も安打を記録していない。高めに関しては過去2年も安定した数字は出ていないが、気になるのは18年に打率・292、19年も同・350と苦にしていなかった外角低め。ここを打ち損じているのが、内野ゴロが増えている要因といえそうだ。

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