コロナとスペイン風邪…大谷の「二刀流挑戦」に重なる102年前のベーブ・ルースの雄姿
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月1回の大好評企画「Monthly Shohei」も3年目がスタート。コロナ禍による異例のシーズンに、再び二刀流に挑むエンゼルス・大谷翔平は、102年前の1918年に世界中でまん延したスペイン風邪に感染しながらも、米国民に勇気を与えたベーブ・ルースの姿と重なる。当時の大リーグを描いた「WAR FEVER(戦争熱)」の著者ランディ・ロバーツ氏(69)に二刀流の意義を聞いた。(奧田秀樹通信員)
今年3月に出版された「WAR FEVER」が米国で話題を呼んでいる。ワシントン・ポスト紙は「この本を読めば、野球界がコロナの前のパンデミックにどう対応していたかが分かる」と評した。著者のランディ・ロバーツ氏は、パデュー大の特別栄誉教授。これまでスポーツを題材とする歴史本を13冊出版し、ボクシングのムハマド・アリ氏ら英雄たちを描いてきた。
1918年、当時レッドソックスのベーブ・ルースは、大リーグ史上唯一の「10勝&10本塁打」(13勝&11本塁打)を達成した。しかし、快挙の裏で、世界中で約5億人が感染し、5000万人が死亡したといわれるスペイン風邪と闘っていたことはあまり知られていない。ロバーツ氏は「第1波は3月にレッドソックスのキャンプ地を襲い、選手が感染。ルースは5月に発病し、高熱と体中の痛みで病院に搬送された」と語る。ルースは11日間欠場。死亡説も出たが、驚異的な回復で5月末に復帰した。ただ「当時はルースを含めどんなウイルスか知らず、多くの人が死んでいることも分からなかった」という。
同年は第1次世界大戦の真っ最中。8月2日にMLBは9月1日でのシーズン打ち切りと、その時点での首位チームがワールドシリーズに出場することを発表。「最後の1カ月、ルースの二刀流はすさまじかった。まだ23歳と若く、体も大きくて強じんだった」。投手では8試合に先発し、6勝2敗で7試合完投。打者としても16試合に先発出場した。チームはア・リーグを制し、そして世界一になった。
その活躍の裏にも興味深い話がある。ロバーツ氏は「実はルースは二刀流を目指していたわけではない。監督は投手に専念してほしかったが、彼は打者に転向したかった。監督と散々衝突したが、8月はワールドシリーズに出るために投げると約束していたんだ」と明かす。さらに地元ボストンは優勝パレードなど、人が多く集まるイベントが増えたことで、スペイン風邪の第2波に見舞われた。出身地のボルティモアに戻っていたルースも再び感染したという。
18年と今季は疫病の流行、シーズン短縮など似ている部分が多い。感染が収まらない中での開催を不安視する声も多いが、ロバーツ氏は「米国の社会にプロスポーツがないのは経済的にも人々の精神的にもよくない。野球は接触スポーツではないし、ウイルスとの闘いで疲れた人々を癒やすためにもMLBの開催はいいことだ」と強調する。そして、その役割を担う選手の一人として二刀流の大谷に期待している。
「米国人は映画スターのジョン・ウェインのような大きくて強くて、不屈の精神を持った人物が大好き。ルースのような規格外のパワーにも憧れる。大谷はその要素を備えており、二刀流もとても意義深い。ルースは結果としての二刀流だったが、大谷は二刀流の成功を目指している。近年は分業や専門化が進む中、彼の挑戦は創造的で素晴らしい」
スペイン風邪に見舞われた18年、二刀流でチームを世界一に導いたルースは、その後、ヤンキースに移籍。本塁打で野球界に革命を起こし、米国の英雄となった。102年後。「ルースの再来」ともいわれる大谷がコロナ禍のシーズンで新たな二刀流の流れを生み出すのか、米球界が注目している。
《デッドボール時代でも本塁打王》当時レッドソックスのエド・バロー監督はルースの二刀流に否定的だった。その理由について、ロバーツ氏は「当時はいわゆる“デッド(飛ばない)ボール”の時代。ボールはボロボロになってもシーズン最後まで使うので、全く飛ばない。だから長打よりも、確実にバットに当てる打者が評価された」と説明する。実際、ルースは18年に11本で本塁打王に輝いているが、5月に3本、6月に8本放ったが、7、8月は1本も打っていない。
デッドボール時代に終止符が打たれたのは20年。打球を頭部に受けた投手が亡くなり、汚れたボールを続けて使うのは危険との認識が高まったからだ。さらにボールへの細工も厳しく取り締まるようになり「ボールがおかしな変化をしなくなったので、打者はバットを長く持ってフルスイングできるようになった。何よりファンが本塁打のとりこになった」。ルースはこの年に54本塁打し、国民的な英雄となった。
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