阪神優勝のカギを分析 広澤克実氏「先行→逃げ切り有利」 赤星憲広氏「確実に1点取り、懸命に1点守る」

[ 2020年6月12日 05:30 ]

スポニチ評論家の広澤克実氏
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 阪神は11日の広島戦(マツダスタジアム)を雨で流した。19日の開幕まで1週間、練習試合もあと3試合と迫り、本紙評論家の広澤克実氏と赤星憲広氏がシーズンを占った。日本プロ野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会は今季の特別ルールについて、すでにシーズン120試合制やベンチ入り枠の拡大などで合意。両氏の見解は投手力、特に救援陣がいいチームが有利と一致し、20年ぶりV奪回をめざす阪神に追い風になると分析した。

 <赤星憲広>今季のタイガース浮沈のカギとなる外国人選手たちですが、好不調がはっきりしている点が気になります。

 <広澤克実>そうだね。例えばボーアは3戦連発の後、14打席ノーヒット。ガンケルは無失点に抑えた次の登板で8失点。安定感があると思ったエドワーズもまさかの5連続四球…。でも、矢野監督としてみれば悪い部分を早く知ることができたので、対応していけると思えばいいのでは? 残り3試合で状態を上げられればもちろんいいのだが、助っ人は開幕してから本領発揮するタイプが多いのも事実。

 <赤星憲広>この練習試合で各選手の長所と武器があるのは分かりました。ダメなのはどういう時なのか、力を発揮するにはどうすればいいのか分析できていれば、当然、8人の助っ人はかなりの戦力になります。

 <広澤克実>今季の特別ルールの大枠が固まった。外国人枠が1試合の出場はこれまでの4人だが、出場選手登録は1プラスの5人に増えそう。理想を言えば力のある4選手の固定だが、未知の部分がある新加入の選手が多いため、5人登録はありがたいはず。保険をかけられる。

 <赤星憲広>あと、大きく変更になった点は、年間120試合制でしょうか。

 <広澤克実>それと延長戦は10回打ち切りも大きい。

 <赤星憲広>今季は超特殊なシーズンなので新しい方式の中で戦うのは仕方のないこと。プロとして対応力が求められます。野球が少し変わる気がします。特にベンチワークの部分で。今季特有の戦い方が必要といいますか…。

 <広澤克実>試合展開は断然、先行→逃げ切りが有利。中盤までに1点でもリードしておくことが重要になってくる。先発投手からの効果的な継投、継投、継投。だからリリーフ陣が充実している、そして8回エドワーズ、9回藤川球児まで確立している阪神にとっては、決して不利な条件にはならない気がする。

 <赤星憲広>確かにそうですね。昨年の最終盤のような戦いのイメージができれば。だから例年以上に先発投手の交代機も代打策も、早め早めになるのかもしれません。

 <広澤克実>もっと極端にいえば、同点でもどんどんリリーフ陣をつぎ込んでいって、引き分けOKという考え方もできる。プロ野球は勝ち数で順位が決まるのではなく、勝率だからね。負けなければいい。

 <赤星憲広>試合数が減ることで1勝の重みが増します。でも背中合わせで、逆に1敗の重みも増します。昨年のチーム失策数102は12球団最多。そこが修正されていなければ、せっかくの投手力の足を引っ張りかねません。確実に1点を取った後に、懸命に1点を守る野球ができるかどうかですね。

 <広澤克実>打線がバンバン打って取り返すことができればいいのだろうけど、得点力不足は昨年からの課題だからね。

 <赤星憲広>そのためにボーアとサンズを補強したのですが、期待はしても、まだ計算はできません。だからマルテを含め、8人いる投打助っ人を効果的に起用していきたいですね。

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