ブルージェイズのGMが苦悩 カナダ・トロントでのホームゲームは不可能?

[ 2020年6月12日 08:14 ]

巨人からブルージェイズに移籍した山口(右)(AP)
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 大リーグ・ブルージェイズのロス・アトキンスGM(46)が11日に会見に応じ「ホームでの試合開催を望んでいるがハードルは高い」として、カナダ・トロントにある本拠地のドーム球場「ロジャース・センター(収容5万人)」での日程消化に懐疑的な姿勢を示した。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってカナダと米国は不要不急の渡航を制限。自由な移動はままならない。現在の渡航制限は今月21日までだったが、AP通信によれば、世界最多の感染者と死者を出している米国では第2波への懸念が強まっており、さらに延長されるのは確実視されている。

 アトキンスGMは「複数の選択肢を考えている」としてキャンプ地となっている米フロリダ州ダニーデンの「TDボールパーク(収容8500人)」を“代替え本拠地”にするプランを明らかにしたが、「自分たちにはコントロールできない案件。他球団の兼ね合いもある」として大リーグ側との交渉は進んでいない状況。7月上旬とされている今季の開幕は、試合数やサラリー保証などをめぐって選手会側と合意に至っていないが、仮に“ゴーサイン”が出た場合にブルージェイズは他球団にはない問題を抱えることになる。

 ブルージェイズには昨季までドジャースで活躍した左腕の柳賢振(33)投手や、巨人から移籍した山口俊投手(32)らが加入。ここ3シーズンは負け越したが今季は巻き返しが期待されており、本来ならばトロントで開幕を迎えたいところだろう。ただし同じトロントを本拠にしているNBA昨季の王者ラプターズも対応に苦慮。3月12日に中断したレギュラーシーズンは7月31日にフロリダ州オーランドに22チームが集まって再開されるが、ラプターズは米国内に居住している選手をどうやって再開前の練習に招集するのかという“難問”と直面している。大リーグもNBAも即効性のある解決策を明示しておらず、今後は世界一長いとされる両国の“国境”がリーグ運営に重くのしかかってきそうだ。

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