MLBは7月4日「独立記念日」開幕へ 82試合制でナ・リーグもDH制採用など選手会に提案

[ 2020年5月13日 05:30 ]

 大リーグ機構(MLB)と30球団のオーナーが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月26日から延期している今季について、7月4日(日本時間5日)の独立記念日前後に無観客で開幕する開催案を承認したと11日(同12日)、AP通信が報じた。12日(同13日)にも選手会に提案して合意を目指す。

 待望の開幕へ向け、大きな一歩を踏み出した。各オーナーが開催案を承認。米国最大の祭典と呼ばれる7月4日(日本時間5日)の独立記念日前後に無観客での開幕を目指す。

 開催案はキャンプを6月中旬までに再開し、レギュラーシーズンは82試合前後を想定。他地区とは対戦しない「縦割り方式」を採用し、ナ・リーグ球団もア・リーグと同様にDH制を敷く。ポストシーズンは両リーグのワイルドカード枠が2つずつ増え、7月14日(同15日)にドジャースタジアムで開催予定だった球宴は中止する。

 試合は原則、本拠地で行われるが、大谷のエンゼルスなど5球団が本拠地を置くカリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事は同州での開催に難色を示しており、許可が下りなければエ軍はアリゾナ州のキャンプ地か中立地で開催。山口のブルージェイズもカナダ政府の許可が下りない場合は本拠地開催が不可能になる。また、過密日程の負担軽減の目的で、ベンチ入り登録は26人から30人前後に増やし、昇格に備えるマイナー選手を約20人とする。

 12日(同13日)に始まる選手会との協議で合意を目指すが、昨季世界一に貢献したナショナルズの救援左腕ドゥーリトルはツイッターで「ワクチンもなければ、効果的な治療もまだない」と投稿。十分な検査機会の確保や選手、スタッフに感染者が出た場合の対策を開催案に含めるよう求めた。

《収入を球団との折半案に選手会の反発は必至》開催案には総収入を球団と選手で折半することが盛り込まれたが、選手会の反発は必至だ。MLBは3月に年俸の60日分を保証し、実施された試合数に比例した額を支払うことで選手会と合意。だが、無観客試合の解釈で食い違い、選手会はさらなる減俸は受け入れられないとする。MLBは北米4大スポーツで唯一、総収入を分配して年俸総額の上限を決めるサラリーキャップ制度を導入していない。トニー・クラーク選手会専務理事は「MLBは危機的状況に乗じて過去(94~95年のストライキ)に達成できなかった同制度を導入しようとしている」と批判している。

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2020年5月13日のニュース