【スポニチ潜入(9)】NTT西日本・大江 「伸びしろ」も秘めた即戦力 叩き上げの最速150キロ右腕

[ 2020年4月13日 10:00 ]

NTT西日本・大江克哉投手
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 スポーツニッポン新聞社がお届けする記事と動画を連動した新企画「スポニチ潜入」。主に関西圏のアマチュア野球選手を紹介する本日公開の第9回は、関西地区の社会人球界を代表する好右腕、NTT西日本・大江克哉投手です。

 風貌も物腰も、実に柔らかい。だが、ひとたびマウンドに上がればNTT西日本・大江の表情は一変する。捕手のミットをにらみつけ、切れ味鋭いボールを叩き込む。

 1メートル77、73キロ。投手としては決して恵まれているとはいえない体格ながら、社会人野球の名門・NTT西日本で入社1年目から主戦を任されている。軸球は最速150キロの直球とカットボール、チェンジアップ。そのすべての精度が高い。

 アマチュア最高峰のステージで、その実力を証明した。昨年7月の都市対抗では1回戦・JR九州戦の先発に抜てきされ、6回途中2安打2失点で全国初勝利。敗れた準々決勝・日立製作所戦でも先発し、6回途中3失点と試合を作った。さらに、同11月の日本選手権でも躍動。準々決勝では優勝した大阪ガス相手に先発し、6回まで9奪三振、ノーヒットと圧巻の投球を展開した。7回に先頭・小深田(楽天)の打球を右膝に受け、無念の負傷降板。結果、チームも敗れたが、「大江克哉」の名を全国に知らしめた。

 「無名」からはい上がってきた。高校は公立の塔南(京都)。エースを担うも在学中に甲子園とは無縁で、最高成績は3年春の府大会8強だった。当時は体重65キロと線が細く、大学から誘いが掛かることもなかった。一般受験で京滋大学リーグ・花園大に進学。そこで才能が開花した。野球をやる上で決して恵まれている環境ではなかったが、それが結果的には大江の成長を促進。「自分で何が必要かを考えて、限られたスペース、時間の中で練習に取り組んだことで、すごく成長できたと思います」。2年春に同校のリーグ初制覇の原動力となり、「プロ」を意識し始めた。

 そして今も成長を続ける。NTT西日本では初めて野球に集中できる環境に恵まれ、入社時65キロだった体重はわずか1年で73キロまで増えた。目下の目標は77キロに設定し、トレーニングに取り組む。球威アップを図るための体重増で、直球の最速155キロ、常時150キロを目標に掲げる。とはいえ力に頼るばかりではない。臨時投手コーチを務める元阪神、オリックスの野田浩司氏から勧められ、今オフには改めてカーブを磨いた。緩急を操るとともに、打者の目線を動かすことが目的。常に進化を追い求める。

 日進月歩の成長を続ける右腕は、明確な目標を持ち、ドラフト解禁イヤーに臨む。「今年は、チームとしてはもちろん日本一を目指してやっているので、テッペンを取れるように頑張っていきたいです。個人としてはプロ野球選手になりたいので、個人の結果を求めて行けばチームの勝利も付いてくると思うので、そこを頑張っていきたいと思います」。自らの腕で、人生最大の転機をつかみ取る。(大阪報道部・惟任 貴信)

 ◆大江 克哉(おおえ・かつや)1996(平8)年6月22日、京都府出身。50メートル走6秒8、遠投100メートル。最速150キロ。握力は右55キロ、左51キロ。1メートル77、73キロ。右投げ右打ち。

 ※本記事の動画は「スポニチチャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCCDmd01WsuFBF8n3yMjHQ1A)において本日正午頃、公開予定。次回は4月20日公開予定です。(記事、動画の内容は新型コロナウイルス感染拡大により、各チームが活動自粛に入る以前に取材したものです)

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