野村語録は永遠に(2)「マー君、神の子、不思議な子」

[ 2020年2月12日 06:01 ]

野村克也氏死去

楽天・野村監督
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 「ボヤき」が代名詞だった野村克也氏は、数々の印象的な言葉を残した。心に響く名言もあれば、笑いを誘う“迷言”も。09年には「ボヤき」が新語・流行語大賞でトップ10入りし「ボヤきが出るのは元気な証拠。ボヤかなくなったらご臨終です」とスピーチ。もう聞くことはできない野村語録を紹介する。

 「プロ野球界は一般社会とつながっている。これだけの不況の中で、リストラが進んでいる。同じ世代のためにも頑張らねばと思い、最後のご奉公と思って決心した」(98年10月に阪神監督就任)

 「スーパーカーはもう古い、これからの時代はF1」(赤星憲広ら俊足7選手を、かつての大洋のスーパーカートリオ=屋鋪要、高木豊、加藤博一=を意識してネーミング)

 「いい嫁さんもらわんと一生の不覚や。サッチー(沙知代夫人)は嫁としては理想じゃないが結果的には福まん、あげまんですよ」(阪神監督時代の99年、当時独身の新庄剛志に結婚のススメ)

 「私のような年寄りにはチームがまとめられないと、オーナー(故久万俊二郎氏)に相談しました。それで星野(故星野仙一氏)を監督にと要請しました」(3年連続最下位となり、01年オフに阪神監督を退任)

 「野球には“無形(むぎょう)”の力が必要なんや。見えないものを見る、感じないものを感じる。そこから戦略、戦術が生まれるんで、これからの野球は形にないものを戦力にしていく必要があるんや」(02年の社会人・シダックス監督時代に)

 「個人的に予告先発は大反対。勝負事は読み合い。試合前から試合は始まっている。知恵を絞り、頭を使ってやるのが野球。ああいう制度があると監督も育たない」(楽天監督就任が決まった05年11月、予告先発制度の廃止を提案)

 「昔は銀座の店で取材した。他球団の選手の席についた女の子の名前は全部、覚えてささやいた」(07年に大学・社会人ドラフト3位入団の嶋基宏へ伝説の「ささやき戦法」を直伝)

 「うちには天才バッターはいない。二流には二流なりの打ち方があるのに」(貧打が続く楽天打線にボヤき)

 「(組織票を)やったな。(IT企業だから)楽天はお手のもの。オールスターの意味がなくなる。これじゃオール“スターダスト(星くず)”や」(07年球宴。ファン投票中間発表で楽天勢がパ・リーグ10部門のうち7部門でトップとなり)

 「マー君、神の子、不思議な子。不思議の国のマー君。調子も最悪。何点取られるか投げ続けさせようと思ったら、天から神様が降りてきた」(楽天監督時代の07年8月3日のソフトバンク戦。6回5失点ながら打線の援護で勝利投手になった田中の“神通力”を評して)

 「今日は不機嫌だよ。勝てばいいってものじゃないよな。やっぱり、ボヤきは永遠なり。勝ってボヤき、負けてボヤき。気持ち良く帰れる日はいつの日ぞ」(08年4月2日のロッテ戦。6連勝を飾るも9回の2失点にボヤき節)

 「バッカじゃなかろかルンバ♪フフッ」(08年5月29日の巨人戦。2点差の9回2死一塁で、相手走者の矢野が盗塁に失敗してラッキーなゲームセット)

 「長い間やっていれば、いろんな記録ができる。新記録続行中だろ。不滅の記録を残す。悪い記録は俺に任せろ」(09年4月11日の西武戦に敗れ、史上初の監督通算1500敗目)

 「神様、仏様、田中様。稲尾2世ができたな。神様ありがとう」(09年4月14日のロッテ戦で先発・田中が2試合連続完投勝利)

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2020年2月12日のニュース