阪神・ボーア 胸張る14発!引っ張っても破壊力抜群150メートル弾も

[ 2020年2月2日 05:30 ]

宜野座キャンプ ( 2020年2月1日 )

フリー打撃で快音を響かせるボーア(撮影・坂田 高浩)
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 プロ野球は1日、5年ぶりに12球団が一斉に国内でキャンプインした。阪神の沖縄・宜野座では新助っ人、ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)が“衝撃デビュー”した。

 決して力任せではない。外角球をコースに逆らわずにはじき返したボーアの打球は理想的な弧を描き、次々と左中間芝生席に飛び込んだ。いかにも長距離砲らしい打球の角度に加え、反対方向に運ぶ柔らかさも兼備。来日初のフリー打撃は満点の内容だった。

 「本当に感じは良かったね。初日が非常に楽しみだったし、やっと野球ができるとワクワクした気持ちで迎えた。体も動いたし、いい1日を過ごせたよ」

 マルテ、サンズ、福留、糸井の計5人でのランチ特打。1月28日に来日したばかりという状態面の心配は、あっという間に吹き飛んだ。5スイング目で左中間へ“第1号”を放り込むと、ボールを1球挟んで、6、7スイング目も左中間最深部へ。右翼から左翼への風にも乗せたとはいえ、左打者が柵越えするには1番困難なゾーンに簡単に運ぶパワーに客席からどよめきと歓声が沸き起こった。

 「打者として基本的なことに集中した。外の球は逆方向に打つのが基本だからね」と涼しい顔。来日時には1番の武器を「シンギング・ボイス(歌声)!」と答え、翌29日の入団会見でも甲子園の浜風対策に「その時は右打者に転向するよ」などとジョークを連発。ここまでは明るい人柄ばかりがクローズアップされていたが、初披露した打球が何よりも雄弁だった。

 もちろん、右方向に引っ張った打球も破壊力抜群。右中間にある大きな松の木の最上部に当たる推定150メートル弾も放った。柵越えしなくても、痛烈な当たりがほとんど。4番最有力候補の期待高まる姿に矢野監督も満足顔を浮かべた。

 「反対方向にホームランを打つ技術もパワーも持っていると思うし。角度を付けるのがうまい。ゴロがないでしょ? それはボーアの特長というか長所だと思う。相手に嫌な感じとか恐怖感を与えられるような打球の角度を持っている」

 日本では珍しく素手でバットを握る。「自分はずっとこうやって来ている。バットの感触を手で感じたいんでね」。丸太のような腕とグラブのように大きな手が圧巻の打球の源。バースやブラゼルという伝説の助っ人と比較されるだけの怪力は初日で証明した。(山添 晴治)

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2020年2月2日のニュース