たかが声、されど声――楽天 2年ぶり10連敗…急失速した原因は何か

[ 2019年7月9日 12:30 ]

楽天・渡辺直人
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 シーズン序盤は好調を維持していた楽天の勢いが急失速している。7月8日のオリックス戦(山形・きらやか)で2安打零封負けを喫し、連敗は引き分けを挟んで“大台”の10にまで伸びた。10連敗は2年ぶりで、連敗がスタートする前に積み上げていた10の貯金は底をついた。シーズンの折り返しとなるオールスターブレークを目前に、まさに正念場を迎えている。

 原因は何か。「打撃は水物」と良く言われるが、開幕直後から機能していた打線の不振によるところは大きい。球団生え抜きの平石監督は「もともとこのチームはシュンとしてしまうところがある。確かに今はちょっと元気がないですね」と話す。今、求められるのは重たい空気を変えられる存在なのだろう。それは決してレギュラーで試合に出ている選手に限らない。

 平石監督の就任1年目のシーズンでムードメーカーを務めていたのが、指揮官と同じ1980年生まれの渡辺直人だ。今季は代打のみで19試合の出場にとどまるも、ベンチ内ではどんな試合展開でも状況に応じた「声」でチームをもり立ててきた。だが、右足首の脱臼で6月22日に出場選手登録を抹消された。翌23日からチームの連敗が始まったのは偶然ではないのではないか。

 苦しい状況だからこそ、平石監督は選手たちに自覚が芽生えるきっかけにしてもらいたいという思いがある。「直人は試合に出られない中で、率先してムードをつくってくれていた。非常に大きな存在」と指揮官。その上でこう続けた。

 「たかが“声”かもしれないけど、プレーにつながることは絶対にあると思う。誰かに乗っかって声を出すことは誰だって出来る。人任せでは絶対にだめ。まだ遠慮している選手も多い。自分が先頭に立ってやるんだという気持ちが大事。それは選手だけじゃなくて。全員がムードメーカーになれれば、流れを持ってくることができるはず」

 たかが声、されど声――。現代野球は確率論があらゆるデータが重視される傾向が強くなっている。ただ、人間がやっている以上、感情から派生する「空気」が勝敗に及ぼす影響は少なくない。間もなく球宴を挟んで一区切りを迎える。楽天だけに限らず、悪い流れのチームにとっては気持ちを新たにする絶好のタイミング。シーズンはまだ半分“も”残っているのだから。 (記者コラム 重光晋太郎)

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