広島9連敗で4年ぶり借金ターン確定 緒方監督「俺の采配に責任」

[ 2019年7月9日 05:45 ]

セ・リーグ   広島2―3中日 ( 2019年7月8日    ナゴヤD )

交代を告げガックリとベンチに戻る緒方監督(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 広島は8日の中日戦に2―3で敗れ、14年6月以来の9連敗(1分けを挟む)を喫した。2点を追う4回、主砲・鈴木誠也外野手(24)に待望久しい19号ソロが飛び出したが、9回無死満塁の絶好機に1点を挙げるのがやっとでは勝てない。トンネルの出口が見えない苦境。借金は3に増え、4年ぶりの前半戦借金ターンが確定した。

 なめられている。安部、西川の連打で無死二、三塁とした9回。4番・鈴木を打席に迎え、2ボールになった時点で中日ベンチは申告敬遠を告げた。リードは2点なのに、あえて逆転の走者を出塁させる選択。だが、この作戦が的中するから広島の病巣は深い。

 「最低限の仕事はできたけど、犠飛では満足できない。逆転につながる打撃がしたかった…」。中犠飛を放った5番・松山は唇をかみしめる。無死満塁でわずか1点。なおも1死一、二塁の好機で後続が倒れ、1分けを挟む連敗は14年6月以来5年ぶりの9に伸びた。

 明日につながる光はある。2点劣勢の4回2死から鈴木が6月20日のロッテ戦以来14試合、57打席ぶりの19号ソロ。カウント2―2から山井が投じた甘い142キロ直球を振り抜くと、打球は敵地の左中間席へ吸い込まれた。

 「打っても(チームが)勝たないと意味がないので…」

 実に42打席ぶりの打点。自己ワーストを更新していた連続打席打点なしを41で止め、4年連続の20号に王手を懸けても鈴木の表情は厳しい。いや、連敗ストップにつながらず、トンネルの出口すら見えない苦境に、主砲としての苦悩がにじむ。

 「ミスで負けているならなくしていけばいいけど、そうじゃない。(敗因の)一つは打てていない。難しい…」

 四球で出塁した先頭・野間が安部の二直に帰塁できず、一瞬にして併殺に終わった初回が象徴するように、走者が出ても進められない攻撃が目立つ。「それは俺の采配に責任がある」。緒方監督はそう切り出し「最後まで粘り強く戦えば、結果につながると思っている」と繰り返した。

 借金は3に増え、4年ぶりの前半戦借金ターンが確定。ここ10試合の平均得点はわずか1・9という体たらくだ。主砲・鈴木にマークが集中する状況を好転させ、強力ともてはやされた打線は復活するのか。王者の真価が問われている。(江尾 卓也) 

続きを表示

2019年7月9日のニュース