マー君 日米最短2/3回6失点KO、歴史的欧州初開催は記録的乱打戦

[ 2019年7月1日 02:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース17―13レッドソックス ( 2019年6月29日    ロンドン )

<レッドソックス・ヤンキース>先発の田中は1回途中6失点で降板(AP)
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 ロンドンで初の大リーグ公式戦となるレッドソックス―ヤンキースが29日(日本時間30日)に行われた。ヤ軍・田中将大投手(30)は先発の大役を担ったが、日米通じて自己最短となる2/3回を4安打6失点でKO。相手先発右腕も1/3回を6失点KOと、両軍先発投手が1回持たずに降板する荒れた展開に。歴史的一戦は、歴史的な乱打戦となり、ヤ軍が17―13で競り勝った。

 詰めかけた5万9659人の熱狂の前で、まさかの展開だった。初回に味方が16年サイ・ヤング賞右腕ポーセロから6点を奪ったが、その裏に田中はリードを吐き出した。

 「相手に上回られたところが一番。いつもと違う部分も出てくるが、その中でいい投球しないと意味がない」

 先頭ベッツに左前打され、2番ディバースには球足の速い人工芝も手伝ったか、ゴロで一塁線を抜かれていきなり失点した。制球も定まらず連続四球で満塁。犠飛と適時打で失点を重ね、8番チャビスに同点3ランを浴び、日米通じ最短の2/3回で降板が告げられた。

 2200試合目となった両軍の伝統の一戦で、初回に6得点以上ずつ記録されたのは初めて。両先発に限らず、登板する投手のほとんどが制球に苦しみ、甘く入ったボールを痛打された。両軍計30得点も、09年の最多記録31得点にあと1つ。9イニング終了試合での史上最長時間に、あと3分と迫った4時間42分の記録的乱打戦を演出する形となった。

 大役が決まってからはこの登板だけに神経を注ぎ、ロンドン観光に繰り出すチームメートもいる中で自分の調整に終始してきた。急造球場やマウンドの問題にも「(影響は)全然なかった。自分の中でやれることはやってきた」と言い訳は一切せず。結果的にチームは勝利したが、自分のパフォーマンスにただ唇をかみしめ続けた。

 「いろんな方をがっかりさせるような投球になったが、一番がっかりしているのは自分自身。全部受け止めて次に進まないといけない」

 両軍がホーム用のユニホームを身に着けて臨んだ歴史的一戦。悔しさを胸に、最後は田中らしく前を向いた。(後藤 茂樹)

 ▼ヤンキースのアーロン・ブーン監督 クリケットは週末いっぱい試合が続くことがあるんだろう?英国の人たちはみんな長い試合には慣れているんじゃないの。ただ、毎試合30点も入るわけじゃないとは断っておかないとね。

 【データアラカルト】
 ★両軍先発が1回持たず6失点以上 自責点が公式記録になった1912年以降3度目。
 ★両軍初回6得点以上 89年のブルージェイズ―アスレチックス戦以来30年ぶり。ヤンキース―レッドソックス戦に限ると、2200試合目で初。同カードの両軍計30得点は、09年8月21日にボストンで、ヤンキースが20―11で勝利した計31得点以来で2番目に多かった。
 ★田中の先発での2/3回降板 日米通じて最短。これまでの最短は1回2/3で、楽天時代のプロ1年目のデビュー戦だった07年3月29日ソフトバンク戦、メジャーでは14年9月27日レッドソックス戦、17年5月14日のアストロズ戦で記録。

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