広島・床田 涙の5被弾、自己最短2回途中7失点KO「今まで野球をやってきて一番…」

[ 2019年6月15日 05:30 ]

交流戦   広島2-11楽天 ( 2019年6月14日    楽天生命パーク )

初回、3本塁打を浴びた床田は唇をかみながらベンチに戻る(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 広島は14日の楽天戦で7本塁打を許し2―11で大敗した。先発の床田寛樹投手(24)が球団ワーストに並ぶ5本塁打を浴び自己最短の1回2/3で7失点KOされると、今季初登板となった薮田和樹投手(26)も2被弾。1試合7被本塁打は2010年6月29日巨人戦で8被弾して以来の屈辱だった。引き分けをはさみ3連敗。2位・巨人も敗れ、首位陥落だけは免れた。

 「仙台の悲劇」に床田の心は耐えきれなかった。面白いようにスタンドまで運ばれ、まさかの5被弾。自己最短となる1回2/3でのワースト7失点KOに、ベンチに戻ると悔し涙がこぼれ、タオルで目頭を必死に押さえた。

 「今まで野球をやってきて一番(ショック)じゃないですかね」

 初回、茂木に許した先頭打者アーチが悪夢の始まりだった。単打と四球で無死一、二塁とされ4番ブラッシュには中堅左へ3ランを被弾。2死後、ウィーラーには左越えソロを浴びた。1イニング3被弾は18年8月17日のDeNA戦で一岡が記録して以来だった。悪い流れは止められず、2回も先頭の太田にプロ初本塁打を献上すると2死から浅村には右中間席まで運ばれ、交代を告げられた。

 「真っすぐが全然いっていなかった。いつもならファウルや詰まったりするところでも、はじき返された。会沢さんも“全然真っすぐが来てない”と言っていた」

 投じた42球で真っすぐは15球。そのうち、140キロを超えたのはわずかに3球。「疲労とかではない」と言いわけしなかったが、150キロを超える速球が、この日は143キロ止まりで相手打線の餌食になった。

 前回7日のソフトバンク戦に続く黒星に、佐々岡投手コーチも「球に力がなかった。(次回登板は)少し考える」と首をひねった。野村が11日の日本ハム戦で1回降板して降格したばかり。アドゥワも再調整中とあり、苦しい台所事情に悩みは尽きない。

 今季3度目の2桁失点による大敗でチームは引き分けをはさみ3連敗。2位・巨人も敗れ首位陥落を免れたのが、せめてもの救いだった。緒方監督は「また明日しっかりと戦うだけ」と言い残した。

 床田が5月からカード頭の先発を務めてきたのは立派な事実だ。今後も脳裏に焼き付いて離れない楽天打線のフルスイング。飛躍の1年にするために与えられた試練の残像である。(河合 洋介)

続きを表示

2019年6月15日のニュース