斎藤隆氏が大谷サイクル全打席解説「引っ張って捉えた第4打席に完全復活を予感」

[ 2019年6月15日 02:30 ]

初回、3ラン本塁打を放ち喜ぶ大谷(右)(AP) 
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が13日(日本時間14日)のレイズ戦で日本選手初のサイクル安打を達成。現在パドレスの球団アドバイザーを務める斎藤隆氏が大谷の全打席を徹底解説した。

 《第1打席“19度”超低弾道の一発、第2打席外角のゾーン逃さない》打者としてのポテンシャルの高さが凝縮されたサイクル安打だった。第1打席の本塁打は、大谷の特長である左腕の押し込みから生まれる左方向への強い打球。19度という低空の弾道でもスタンドに運ぶ打球速度がある。左中間二塁打も同様で、外角寄りのゾーンは逃さないという打ち方だった。

 《第3打席遅いカーブに片手対応》第3打席はヤーブローが配球を変えてきた。2打席連続で直球系を打たれたことで、球速の遅いカーブを外角低めへ6球連続で投じてきた。しかし、大谷は泳ぐことなく、右側の壁をつくり、バットコントロールで右翼線に運んだ。大谷は実業団の選手だった母の影響で、少年時代にバドミントンもやっていたそうだが、相手のフェイントショットを右手のバックハンドで拾うような打ち方だった。

 《第4打席内角カット引っかけず》私が一番評価したいのは、最後の右中間への安打。この打席、遅い球をイメージしていたのか、ウッドの速球に全くタイミングが合っていなかった。しかし、追い込まれても低めのチェンジアップを見逃し、6、7球目の速球はファウルで逃げた。投手は投げる球がなくなり、8球目は大谷の苦手ゾーンといえる内角のカットボールを選択したが、それを見事に打ち返した。

 今季はここまで、ユニホームの胸が投手に見えるようなスイングをした時は、ほとんどがファウルか空振り、あるいは引っ掛けての内野ゴロだったが、しっかり引っ張って外野に運んだ。当たりはそこまで良くなかったが、内容があり、完全復活を予感させる一打。さらに調子が上向けば、右翼方向への本塁打も増えるのではないか。(パドレス球団アドバイザー)

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2019年6月15日のニュース