楽天・辰己 人生初サヨナラ打!球団史上最大7点差逆転で貯金生活

[ 2019年5月9日 05:35 ]

パ・リーグ   楽天8―7ソフトバンク ( 2019年5月8日    楽天生命パーク )

9回1死満塁、辰己(中央)がサヨナラとなる適時二塁打を放ちナインから手荒い祝福を受ける(撮影・大塚 徹)
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 楽天のドラフト1位・辰己涼介外野手(22)が8日、ソフトバンク戦でプロ入り初のサヨナラ打を放った。2点を追う9回に逆転の中越え2点二塁打で5連打の最後を飾り、12球団の新人で一番乗りとなる劇打となった。首位を独走するソフトバンクを相手に0―7から試合をひっくり返し、球団史上最大の7点差逆転勝ち。2連勝で再び貯金生活に入った。

 ポーカーフェースの新人が、珍しく感情を爆発させた。ナインの歓喜の輪の中心にいたのは、辰己。ペットボトルの水を頭からかけられ、ずぶ濡れになりながら祝福された。

 「サヨナラ打はこれまで(の野球人生で)記憶にない。最高でした。あんまり感情を出さない方なんですけど、心の底からうれしかった。やっぱり、勝つっていいですね」

 2点を追う9回に1死から島内、ウィーラー、銀次、ブラッシュの4連打で1点差とし、なお1死満塁。守護神・森は力勝負に来たが冷静だった。「とにかく次につなぐ気持ちでセンターからレフトを意識した」。3球続いた直球をイメージ通りにはじき返し、中堅右のスタンドに飛び込むエンタイトルの逆転2点二塁打。2度目の猛打賞は最高のエンディングを演出した。

 試合前。浅村が円陣で「前回は福岡で悔しい思いをしたので今日の試合は大事になる」と声を張り上げた。前回とは辰己が1軍に再昇格した3日のソフトバンク戦。延長12回にサヨナラ負けを喫し、新人も「やられた分、やり返したかった」と雪辱に燃えていた。

 この日も4回まで0―7の苦しい展開。それでもベンチで「まだまだ!」「ここから!」との声が飛び交い、辰己の目には頼もしく映った。「先輩たちの勝ちたいという気持ちが伝わってきた。その姿についていった」。4回から反撃開始。ブレーブスの名物応援「トマホーク・チョップ」を模して今季から導入された新たな応援歌「ウイニング・イーグル」の合唱にも後押しされ、球団史上最大の7点差逆転を決めた。

 辰己の勝負強さは立命大時代から定評があり、大学4年時のハーレム大会ではMVPを獲得。「勝負強さを売りにしてプロの世界でやっていきたい」。その言葉を有言実行する逆転サヨナラ打となった。(重光 晋太郎)

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2019年5月9日のニュース