人口約4200人の野田村に佐々木フィーバー到来? 県大会開催地になったワケ

[ 2019年5月9日 19:39 ]

キャッチボールする大船渡・佐々木(撮影・吉田 剛)
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 春季高校野球岩手県大会の組み合わせ抽選会が9日、盛岡市内で行われ、参加29校の主将らが出席した。

 163キロ右腕の佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡は釜石との初戦が決まった。勝ち進むと、すべての試合を九戸郡野田村にある「ライジング・サン・スタジアム」で行うことになる。

 野田村は岩手県北部に位置する人口約4200人の村。運動総合公園にある野球場が「ライジング・サン・スタジアム」だ。収容は4100人。これまで地区大会が行われていた球場に比べて規模は大きい。過去にも県大会だけでなくイースタンリーグなどを開催した実績がある。このほか二戸の大平球場と八幡平市総合運動公園野球場が使用される。

 県大会はたいてい県のメーン球場を中心に開催されることがほとんど。佐々木を巡っては沿岸南地区大会では収容わずか600人の球場に2000人以上が詰めかけるなど空前のフィーバーが起きており、2万5000人収容可能な岩手県営野球場などでの開催を提案するファンの声もあったようだ。

 そんな中、なぜ県大会が北部で開催されるのか。それには理由がある。

 本州では最大面積を誇る岩手県。高野連は地域ごとに8つの支部を設置して運営を行っている。春の県大会はその中の「一関支部」と「県北支部(久慈・二戸)」が隔年で運営を担当。今年は県北支部が担当の年にあたっているため野田村や二戸、八幡平の球場が使用球場となったのだ。

 かつては8支部がそれぞれ持ち回りで開催していたが、東日本大震災後は甚大な被害を受けた沿岸地域の負担を考慮。夏は盛岡支部などが主で運営し、春は一関、県北の両支部が担当することになった経緯がある。

 今回「ライジング・サン・スタジアム」では駐車場を増設し、役員も増員体制で安全確保にあたる。村役場の担当者は「高野連と連携し、要望が出てくれば対応を都度検討していく」と全面協力体制。県高野連の大原茂樹理事長は「野田村を始め行政もすごく協力してくださっているし、県北支部の先生も頑張ってくださっている。チーム、選手、観客の方々、報道関係者など関わる皆さんが不快なく過ごせるよう全力で対応したい」と思いを語った。

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2019年5月9日のニュース