丸、待望の移籍後初安打　巨人“鬼門”マツダで連勝

セ・リーグ   巨人6―3広島 （ 2019年3月31日    マツダ ）

5回2死二塁、丸は勝ち越し適時二塁打を放つ（撮影・森沢裕）
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　巨人・丸佳浩外野手（29）が31日、古巣・広島戦で移籍後初安打をマークした。同点の5回2死二塁で一時勝ち越しとなる右中間適時二塁打。今季12打席目でついに快音を響かせた。5年ぶりのV奪回を目指すチームも、接戦を制して2連勝。昨季2勝9敗1分けと大きく負け越した鬼門の敵地で、リーグ3連覇中の王者に2勝1敗と2年ぶりに勝ち越し、あす2日からの本拠地開幕となる阪神との伝統の一戦へ弾みをつけた。

　昨年まで慣れ親しんだマツダスタジアムの風が味方した。2―2の5回2死二塁。1ストライクから丸が、九里の内角直球を強振すると、打球はワンバウンドで右翼フェンスにぶつかった。「詰まったけど、風に乗って飛んでくれた」。価値ある適時二塁打を放ち、二塁ベース上で2回手を叩く。小さくガッツポーズも見せた。

　ついに出た。今季12打席目で生まれた広島からFA移籍後初安打。「得点圏だったんで、ランナーを還せてよかった。バッターである以上、一本出るまでは不安な気持ちはある。（初安打が）出たことはよかった」と冷静に振り返った。開幕戦から5打席連続三振。前日は抜群の選球眼で3四球を選び、2得点するも2試合無安打だった。それでも慌てず「普段通り臨んだ」と泰然自若で「H」のランプをともした。

　風に舞う真っ赤な風船を力に変えてきた。マツダスタジアム名物、7回の広島の攻撃前にファンが飛ばすジェット風船。「青い空に真っ赤な風船が鮮やかで奇麗。快晴のデーゲームのときは、何回見ても凄いなと思った」。自身のどんな活躍よりも、強く印象に残る元本拠地での思い出。昨年まで一塁ベンチから見上げた風景を、巨人の一員として三塁ベンチから中堅の守備に向かう際に見つめ、新たに脳裏に刻んだ。

　チームは同点の9回に3点を奪い、広島との同一カードで17年8月以来の連勝を飾った。昨季は2勝9敗1分けと鬼門だったマツダスタジアムでは、同年7月以来となる連勝だ。リーグ3連覇中の王者との開幕カードを勝ち越した原監督は「いいごあいさつができた」と手応えを口にした。チームに新風を吹かせる丸にも「これからどんどんいい方向に行くと思います」とさらなる活躍を期待した。

　2日から本拠地開幕となる阪神戦に臨む。「自分のやるべきことをしっかり準備して。単発で終わらないように」。新加入した背番号8が、風の吹かない東京ドームでも、5年ぶりのV奪回を狙う巨人の追い風となる。（青森正宣）