阪神まさかの幕切れ…守備妨害で試合終了 金本監督抗議実らず

[ 2017年8月2日 08:24 ]

セ・リーグ   阪神3―4広島 ( 2017年8月1日    マツダ )

9回表1死一塁、上本(中)の守備妨害について、審判に説明を求める金本監督
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 阪神は1日の広島戦(マツダスタジアム)に3―4で敗れた。1点を追う9回1死一塁で、空振り三振して体勢を崩した上本が捕手・会沢の二塁送球を妨害したと判定され、ゲームセット。金本監督の抗議も実らず、後味の悪い敗戦を喫した。広島とのゲーム差は11に広がり、2日の試合で敗れるか引き分けで、自力優勝の可能性が消滅する崖っぷちに立たされた。

 試合終了の瞬間、歓喜の広島ナインを横目に、金本監督は本塁付近で審判団と対峙(たいじ)していた。ぶ然とした表情で杉永政信球審に「外の球なので(体も前に)出ちゃうじゃない?」と食い下がった。しかし必死の抗議も実らない。後味の悪い敗戦を喫した指揮官は、怒りを押し殺すかのように静かに三塁側ベンチへ引き揚げた。そして努めて冷静に敗戦を振り返った。

 「まあ、どうやろう…。審判の判定だし、俺はベンチから、それ(守備妨害)は見えなかったけどね。でも説明されたらね。リプレーもできるわけじゃないし。(説明は)そう(上本が守備妨害したということ)。意図的ではなくても、結果的に妨害したと。まあそういう判定ですから」

 1点を追う9回1死一塁、1ボール2ストライク。打者・上本のバットはワンバウンドのフォークに空を切った。その空振りの勢いが余って上本の体は一回転。図らずも捕手・会沢と向かい合う形となってしまった。そして投球と同時にスタートを切っていた一塁走者・西岡を刺すべく投じた会沢の送球は、大きく逸れてセーフ。2死二塁で打者・福留…と思われた。だが、そうではなかった。

 杉永球審は即座に守備妨害を宣告。一打同点の好機が一転、無念のゲームセットとなった。試合後の杉永球審は「二塁への送球動作を妨害した。(上本の体が会沢に)接触しています。偶然だろうと故意だろうと、捕手の送球を妨害したら守備妨害になる。それ以上でも、それ以下でもない」と説明した。

 先発・岩貞が序盤に失った4点のビハインドを、1点差まで追い上げた末の敗戦。まさに痛恨だ。マツダスタジアムでは球団ワーストタイの5連敗で、広島とのゲーム差は11に広がった。きょうの試合で負けるか引き分けで、自力優勝の可能性が消滅する。指揮官は「何て言うのか、この球場の流れと言うか。どこのチームも流れが悪いという、そういう空気がある。これは自分たちで打開していかないと」と敵地への苦手意識の払しょくを課題に掲げた上で、「あと一歩というところだったけど。まあまた明日、はい、頑張りましょう」と前を向いた。(惟任 貴信)

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2017年8月2日のニュース