西武・田辺前監督も驚いた 韓国選手のハングリー精神と「食事情」

[ 2017年4月12日 10:00 ]

ヤクルトの真中満監督(左)と談笑する田辺徳雄氏(右)
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 西武の田辺前監督が4月3日、韓国へ渡った。韓国プロ野球のハンファで約1カ月半、臨時巡回打撃・守備コーチを務めるためだ。昨季、監督を退き、今季から球団本部チームアドバイザーを務める同氏。異国での指導経験から学んだ野球技術を、チームに還元する役割を担っている。

 「韓国の選手は指導に飢えている印象。ハングリーでやりがいがある。とことんやろうじゃないか」と話していたのは今年の2月。ハンファが沖縄でキャンプを張っていた際にも、臨時コーチとして約1カ月半出向いていた。宿舎で寝食を共にし、練習ではティー打撃のトスを上げ続けた。西武で約10年間務めた2軍コーチのころのようだった。

 朝8時過ぎには球場に向かい、遅いときは午後9時まで練習をする。休養日も突然、練習日程が組まれ、面食らうこともあった。連日12時間、球場で練習に付き添う日々。韓国語は話せないので「(指導は)身ぶり手ぶりだよ」と笑った。言葉は通じなくても、野球は世界共通だ。「(チーム打撃など)細かい技術を磨けば、いい選手がどんどん出てくる」とポテンシャルに期待していた。

 田辺臨時コーチが驚いたことがあった。「ベタ」な話だが、「どこに行っても用意されている」と言う「キムチ」の存在だ。

 宿舎の朝食、夕食会場に数種類並んでいるのは当たり前。球場で選手が空腹を満たすケーターリングにも常備されているという。日本では選手がつまみやすい、おにぎりやサンドイッチ、おなかを膨らませることができるよう、うどんやそばが用意されることが多い。韓国球団にキムチは不可欠なのだ。

 食文化の違いに驚きながらも、休養日に出向いた沖縄の飲食店で、締めの一品に「キムチチャーハン」を注文していた。順応力の高さに、今度はこちらが驚かされた。(記者コラム・神田 佑)

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2017年4月12日のニュース