誠也4番でマルチ!緒方監督の“テスト”に一発回答

[ 2017年2月14日 06:30 ]

紅白戦の4回表無死一、三塁、4番に入った鈴木は左前適時打を放つ
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 広島・鈴木誠也外野手(22)が、宮崎・日南キャンプ第3クール3日目の13日に初めて行われた紅白戦に「4番・右翼」で出場。3打数2安打2打点で、「意識的に4番目に置いた」という緒方監督の“4番テスト”に一発回答を見せた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けても、早くも万全に近い状態に仕上げた。

 「4番」という特別な打順を任せられても臆することはなかった。鈴木は打席での好感触をひょうひょうと喜んだ。

 「打順にプレッシャーを感じることはない。走者がいて感じることはあるかもしれないけど。積極的に打ちにいって結果が出てよかった。ボール球を見切ることができたのもよかったと思う」

 難なく仕事をやってのけた。3―0の2回2死二、三塁、カウント3―1から直球を鋭く振り抜くと、三塁手のグラブを強烈にはじく適時内野安打だ。5―0の4回無死一、三塁でも、追い込まれながらしぶとく左前適時打。昨季、チームトップの得点圏打率・346をマークした勝負強さは健在だった。

 紅白戦に新井、エルドレッドが欠場した中で押し出された単なる「代役4番」という位置づけではなかった。緒方監督はシーズン中も「4番・誠也」という選択肢があることを示唆した。

 「意識的に4番目に置いた。結果を残せば(4番に)居続けるし、プレッシャーに感じるようだったら外してあげなきゃいけない。オープン戦は(WBCで)出られないし、今のうちに経験させた」。ひとまず「第1段階クリア」といったところだ。

 疲れをものともしない高い向上心が、鈴木の好成績を支えている。紅白戦後に選手が続々と帰路に就く中、グラウンド横に設置された「ネットケージ」内で約1時間、スローボールを打ち続けた。打撃フォームの微修正。「投手と対戦すると、フォームを崩される部分があるので。周りを囲まれているので飛ばそうと思うことなく、コンパクトなスイングに集中できた」。充実感に満ちたさわやかな笑顔が輝いた。

 プロで4番の経験はないが、昨季はチーム最多29本塁打。WBCという大舞台での経験も糧にして、主軸として長打力も期待されている。 (柳澤 元紀)

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2017年2月14日のニュース