中田脱力打法で138発!左手首痛でバットの軌道が安定

[ 2017年2月14日 05:30 ]

ロングティーで大粒の汗を流す中田
Photo By スポニチ

 ケガの功名だ!3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの日本ハム・中田翔内野手(27)が13日、沖縄県名護市での2次キャンプ初日にフリー打撃とロングティーを合わせて138発の柵越えを放った。うち78発が場外。国頭2軍キャンプ中に左手首を痛めたが、患部に負担がかからないスイングを心掛けてバットの軌道が安定した。開幕まで3週間。侍の主砲が新たな感覚を手に入れ、調子を上げていく。

 力感のないスイングから放たれた打球が左中間フェンスを越え、後方にある約7メートルの防球ネットも軽々と越えた。推定130メートルの場外弾。フリー打撃を終えた中田は満足そうな表情を浮かべた。

 「左手首に不安があって、バットを強く振ってない中で、よかったと思う。気持ちよく打てた」

 名護での2次キャンプ初日。キャンプインから2軍で自己流の調整を行ってきた長距離砲が1軍合流でいきなり魅せた。両翼97メートル、中堅118メートルと決して狭くはない名護市営球場。フリー打撃では27スイング中9本がフェンスオーバーでうち3本が場外弾だった。直後に本塁付近でロングティーも実施。すると152スイングで129本がフェンスを越え、75本が場外に消えた。

 まさに「ケガの功名」だ。WBCを見据えたハイペース調整がたたり、8日に持病でもある左手首痛を発症してフリー打撃を回避。この日は6日ぶりの屋外でのフリー打撃だった。患部の負担を減らすために左手を返すタイミングを遅らせることでバットの軌道が安定。「(左手に)力が入るとバットのヘッドが下がってしまう。ヘッドを立てて振るイメージ。左手を返すタイミングもいろいろと考えながらやっている」と説明した。コンディションを見ながらベストの形を探る。国際舞台や短期決戦の経験も豊富。引き出しは多い。

 昨季は自己最多となる110打点で2度目のタイトルを獲得。4番としてソフトバンクとの最大11・5ゲーム差からの逆転優勝と日本一に大きく貢献した。WBCでも打線の中軸を務めることが確実。侍ジャパンの小久保監督も「誰が見ても手本になるような人がなるべき」と4番の条件を語っており、中田とDeNAの筒香を候補に挙げている。ケージ裏でフリー 打撃を見守った栗山監督も「手首のことをいろいろ言われていたが、バランス良く振れている。大丈夫そう。安心しました」と語った。

 14日には紅白戦が行われ、今季初めて実戦に出場する。「手首のこともあるのでハッキリとは分からないけど、しっかりとコンタクトできている。振り込む時期は終わったので、これからは技術面にこだわりたい」と中田。自身の役目は分かっている。侍ジャパンを世界一、そしてチームを日本一連覇に導く。  (山田 忠範)

続きを表示

2017年2月14日のニュース