岡本が止めた!巨人49イニングぶりタイムリー&9日ぶり白星

[ 2016年3月14日 05:45 ]

<西・巨>5回1死二塁、左翼線に適時二塁打を放つ岡本

オープン戦 巨人3-2西武

(3月13日 西武D)
 期待の19歳が、沈滞ムードを吹き飛ばした。巨人の岡本和真内野手(19)が13日、西武とのオープン戦の5回に左翼線に同点適時二塁打を放った。チームにとって49イニングぶりのタイムリー、25イニングぶりの得点を叩き出し、連敗を5で止める逆転勝ちに貢献。チームが再燃した野球賭博問題で揺れる中、オープン戦とはいえ、9日ぶりの白星をもたらし、開幕スタメンに大きく前進した。

 たまっていた鬱憤(うっぷん)を晴らすようだった。右翼席の巨人ファンがオレンジ色のタオルを振り、巨人ベンチにも久しぶりの笑みがこぼれる。やっと出た適時打。打ったのは2年目の岡本だ。

 「ランナーを還そうと思っていた。最低でも逆方向に打って、走者を進めようと思っていました」

 0―1の5回。1死から左中間二塁打を放った大田に続き、打席に入った。1ボール2ストライクから岸が2球続けたカーブを捉え、左翼線に同点二塁打を放った。カーブの残像を頭に残し、タイミングを合わせたように見えたが「そこ(カーブ)は意識してません」。ボールゾーンのカーブを見極め、ストライクゾーンに来た同じ球種を本能で食らいついた。

 試行錯誤の中、2試合連続となる長打をマークした。1日から8試合続いた遠征では打率・185。連日のように内田打撃コーチから助言を受け、前日には肩の開きを指摘されていた。フォームの微調整を繰り返し、4回まで無得点に抑え込まれていた相手エースの岸から結果を残した。

 チームにとって6日阪神戦(甲子園)の初回以来、実に49イニングぶりの適時打で25イニングぶりの得点。その間、新たに高木京が野球賭博に関与していたことが発覚した。昨季をほうふつさせる貧打にグラウンド外での騒動も重なり、暗いムードが漂っていた。3戦連続零敗ならオープン戦では1963年以来53年ぶりだった。その屈辱を岡本が食い止め、打線に勢いをもたらし、連敗も5で止めた。

 課題の三塁守備でも安定感が出てきた。2回に渡辺の放ったショートバウンドを無難に処理し、ランニングスローも決めた。村田と正三塁手争いを繰り広げ、開幕までオープン戦は残り5試合。高橋監督は「(正三塁手は)いろいろ考えています」と明言しなかったが、岡本は最近10試合に全て先発出場(三塁8度、一塁2度)している。

 「これを続けていきたい。コンスタントに1試合に1本は打てるようにしたい」。19歳は力強く言った。巨人では08年坂本以来の10代での開幕スタメンへ。4打数1安打でも印象に残る一打だった。(川手 達矢)

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