バレ　最後の最後に場外弾「いけるという手応えをつかめた」

＜韓国斗山・ヤクルト＞３安打３打点のヤクルト・バレンティン（左）は宮出打撃コーチと笑顔

フェニックス・リーグ ヤクルト１３―１韓国・斗山

（10月11日 西都）
　打った瞬間、ヤクルト・バレンティンは両手を上げた。６―０の７回無死、２メートル７の長身左腕・張民翼の内角直球を捉えると、高々と上がった打球は左翼場外まで到達した。

　「きょうは満足のいく打席だった。ＣＳへいい自信になったし、いけるという手応えをつかめた」。１４日から始まるＣＳファイナルＳに向け本来の打撃を取り戻そうと必死の主砲に、宮崎での実戦調整最終戦で笑顔が戻った。

　左太腿手術から５カ月のブランクを埋められず、調子が上がらないままシーズンを終えた。チーム本隊は３試合の調整だったが、自ら志願して先乗りし、５試合に出場。４打数無安打に終わった１０日の試合後は特打に取り組み一心不乱にバットを振った。「注意点を確認して修正できたことが形になった」とバレンティン。一発だけではなく、この日は２本の適時二塁打など５打数３安打３打点。本塁打賞として芋焼酎「白霧島」をゲットし、さらにＭＶＰ賞にも輝き「西都牛１万円分」を贈られた。ようやく復調気配を見せた男が、ＣＳこそ主役の座に躍り出る。　（町田　利衣）