首位再浮上!中日月間最多タイナゴヤD11勝 帰ってきた吉見2勝目

[ 2015年4月24日 05:30 ]

<中・ヤ>7回無失点で2勝目を挙げ、友利コーチとハイタッチを交わす吉見(右)

セ・リーグ 中日3-1ヤクルト

(4月23日 ナゴヤD)
 それは、かつて「精密機械」と呼ばれた中日・吉見の姿だった。初回、いきなり1死三塁のピンチを背負ったが、3番・川端を空振り三振、4番・雄平を中飛に打ち取り、勢いに乗った。6安打された。しかし、要所では低めのフォークと外角へのスライダーをピンポイントで投げ込んだ。

 「ゼロで抑えれば負けない。後先考えずに、現段階では上にいるチームなので倒してやろうと思った」。

 4回1死二塁では畠山に右前打を許したが、右翼・藤井が好返球で本塁を狙った走者をタッチアウト。「バックに助けられた。感謝です」。気迫あふれる投球に、バックも右腕をもり立てた。7回までゼロを並べて2勝目。これで開幕からの連続無失点イニングは「20」に伸び、08年にマークした24回2/3の自己最長記録更新も視野に入ってきた。無四球で、毎回の9奪三振。谷繁兼任監督は「これが吉見の制球力。やっぱり投手はコントロール」と褒めちぎった。

 13年6月に右肘内側側副じん帯の再建手術と右肘関節内クリーニング手術を受けた。再起を懸けた昨季は登板後に張りが取れず、わずか3試合で離脱し、未勝利に終わった。「ホップ、ステップ、ジャンプのステップをおろそかにした」という反省から、今季は登板後に出場選手登録を外れ、中10日での調整を続けてきた。

 しかし、もう心配はいらない。試合後、森ヘッドコーチは「これだけ投げられるならば、今回は抹消しない」と明言。5月1日から本拠地ナゴヤドームで行われるDeNA3連戦での先発を示唆した。

 ヤクルト、巨人と首位争いを繰り広げる中、吉見の力強い姿は頼もしい。「まだまだ。1年後に無事に投げ終えられれば、この場に戻ってきたと思っていただきたい」。吉見自身は「完全復活」の言葉を封印したが、過去2度の最多勝を手にした大黒柱がフル稼働できる日は、確実に近づいている。

 ▼中日・高橋周(4回1死一、三塁で右中間を破る2点適時三塁打)必ず甘い球は来ると思っていた。そのボールを仕留められた。

 ≪開幕から最長は38回1/3≫吉見(中)が7回無失点で2勝目。これで今季初登板の1日巨人戦6回、12日DeNA戦7回と合わせ20回連続無失点。開幕からの連続イニング無失点記録は39年高橋敏(阪急)の38回1/3、セでは63年中井悦雄(神)の31回となっているが、吉見はどこまで伸ばすか。なお、チームは今月ナゴヤドームで11勝3敗。中日が同球場で11勝は04年8月、10年8月と並ぶ月間最多勝利となった。

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