101年目の改革 高野連次期会長に八田氏 日本学生協会会長と兼務へ

[ 2015年4月24日 06:20 ]

次期高野連会長に就任することが分かった八田英二氏

 日本高校野球連盟(高野連)は23日までに、9月で退任する奥島孝康会長(76)の後任候補を全日本野球協会(BFJ)会長の八田英二氏(66)に絞った。現職の日本学生野球協会会長との兼任で調整を進める。5月に推薦を受け、6月には内定、9月に第7代会長に就任する。八田氏は同志社大出身で、東京六大学出身者以外では初の会長となる。今夏100年の節目を終え、2世紀目に入る高校野球のかじ取り役として期待される。

 奥島孝康会長は昨年11月27日の理事会で今年9月退任の意向を表明し、日本高野連は後任の人選を進めていた。アマチュア球界で幅広く候補を探り、白羽の矢を立てたのが八田英二氏だった。

 ただ、八田氏は高野連を監理する日本学生野球協会会長にある。上位団体の会長が傘下の会長に就くことに関係者の間には抵抗感があった。水面下で団体間の協議を重ねた結果、同協会会長との兼務という異例の形をとることで調整し、内諾を得たようだ。今後、5月の理事会で奥島会長が次期会長に八田氏を推薦、依頼する。6月の評議員会・理事会を経て、内定する見通しだ。

 正式就任は9月の理事会となる。08年11月に就任し、3期目の奥島会長の任期は6月までだが、8月28日に開幕する初の日本開催となるU―18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で組織委員長を兼ねており、同大会終了(9月6日決勝・甲子園)を待ち、交代となる。

 八田氏は同志社大、同大学院からカリフォルニア大バークリー校大学院で経済学を学び、経済学者として知られる。98年4月から13年3月まで、同志社大学長を15年間務め、今も同大経済学部教授として現役だ。

 野球界との関わりは長い。06年には関西出身者で初めて全日本大学野球連盟会長に就任。09年に全日本アマチュア野球連盟(現全日本野球協会)会長、10年に日本学生野球協会会長に就任し、ともに現職にある。13年には日本学生野球協会会長として、日本野球機構(NPB)や高野連と連動し、プロ野球出身者の学生野球資格回復の研修制度を発足させた。

 高野連会長は7代目。同志社大出身の八田氏は東京六大学以外では初となる。八田氏は「野球を通じた人格形成」を重んじる姿勢を貫いてきた。全国高校野球選手権大会は今夏で100年の節目を迎える。新世紀の高校野球へ、伝統を重んじながら、改革を進めていくことになる。

 ◆八田 英二(はった・えいじ)1949年(昭24)3月20日生まれ。同志社高から同志社大に進み、71年卒業。73年同大大学院修了。77年カリフォルニア大バークリー校大学院修了。帰国後、同志社大教授、経済学部長から98年4月、同志社大学長に就任し、13年3月まで5期15年間務めた。この間、関西六大学野球連盟、全日本大学野球連盟会長を歴任後、09年から全日本アマチュア野球連盟(現・全日本野球協会)会長、10年から日本学生野球協会の会長を務める。

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