打たれて笑顔、打席ではサイン無視?メッセ“イライラ”7回6失点KO

[ 2015年4月23日 05:30 ]

<D・神>スパイクに見えません!6回、ぬかるんだマウンドのため、土が大量についたメッセンジャーのスパイク

セ・リーグ 阪神4-7DeNA

(4月22日 横浜)
 阪神のランディ・メッセンジャー投手(33)が22日のDeNA戦(横浜)に先発し6回7失点でKOされた。雨が降る中での投球にいらつきを隠せず、打席では無気力に映る場面もあった。精彩を欠いた助っ人右腕の乱調でチームは7カード連続で勝ち越しならず。右腕だけでなく、虎党もフラストレーションが溜まる夜となった。

 痛打を浴びても笑顔を見せる姿が助っ人右腕の“変調”を際立たせていた。先発陣の大黒柱であるはずのメッセンジャーが、首をかしげたくなる乱調でまさかの降板だ。

 「いろいろと不運があったと思う。今日に関しては、失投は筒香さん、荒波さんに打たれたホームランの2球だけだと思う」

 初回2死三塁から筒香に高めに浮いたカーブを完璧に捉えられて先制の2ランを浴び、出はなをくじかれた。さらに、打線が奮起して1点のリードした6回も2死二、三塁からロペスに三塁線を破られる逆転の2点適時二塁打を許すと、荒波には3ランを被弾。ビッグイニングを作られ、6回7失点でKOされた。

 “魔の6回”の伏線はあった。プレーボール時から降雨に見舞われ、6回途中にはマウンドの砂の入れ替えを要求するなど、ぬかるんだマウンドでの投球を強いられた。

 2回には、バルディリスの打ち取ったボテボテの三塁へのゴロを西岡が素手で処理しようとしてはじき内野安打。直後に併殺で難を逃れたが、2死から今度は名手・鳥谷が一塁悪送球を犯すなど、本人が言う「不運」が重なった。

 そんな募ったイライラは打席に表れてしまった。3回、先頭で迎えた第1打席はバットを構えるも、全4球に対して微動だにせず見逃し三振。普段は打撃を好み、豪快なスイングを見せる男だけに異様にも映った。4回の1死一塁での第2打席はベンチからバントのサインが出ていたと見られるが、初球はなぜかバスターを敢行して空振り。2球目は一転、構えることなく見送ると、3球目は構えながらバスターのそぶりを見せただけでバットを振らず見逃し三振に倒れた。

 和田監督は「(バスターは)三塁手の動きを見られるから。バルディリスが前に来ることは分かっていた」と話すにとどめ、平田ヘッドコーチも「ベンチの指示ではない。彼の経験」とだけ説明した。

 快挙にも華を添えられなかった。自己最多タイの6者連続三振をマークするなど、10個の三振を奪って、来日してから通算12度目の2ケタ奪三振を記録。リーグの歴代外国人投手ではトップに立ったが「イエーイ! だけど、負けてしまったから」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

 浮上のきっかけをつかめないチームをけん引すべく、今季初の中4日で起用されたが、待ち受けていた結果はあまりに厳しかった。エースの不調で開幕カードの中日戦以来となる連勝はお預けとなった。精彩を欠く背番号54の姿が、もがき苦しむ猛虎を物語っていた。

 ▼阪神・ゴメス(今季初の3安打。3回には左翼線二塁打で6試合連続打点)点が入っているのはいいことだ。この調子を続けていきたい。

 ≪自己ワーストタイ≫メッセンジャーが6回7失点で今季3敗目。ゲーム7失点は昨季9月9日の巨人戦で8失点して以来。6回の1イニング5失点も、同試合の4回に6失点して以来となった。登板3試合連続の負け投手は12年6月22日のDeNA戦から7月6日の巨人戦にかけての3試合に並ぶ自己ワーストタイ。

 ≪通算12度の2桁奪三振はセ助っ人単独トップ≫この日は今季2度目2桁の10奪三振。通算12度の2桁奪三振はメイ(神、巨)の11度を抜き、セ・リーグ外国人投手では単独トップとなった。

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