筒香 4番の自覚で特大140メートルスコアボード弾

[ 2015年2月20日 05:30 ]

<DeNA・韓国KIA>5回2死一、二塁で3ランを打つ筒香

練習試合 DeNA8―5韓国・KIA

(2月19日 宜野湾)
  ライナー性の打球が失速せずにスコアボード中段に当たると、球場全体がどよめいた。推定140メートルの驚異の一発は、3点を追う5回に飛び出した。2死一、二塁から、DeNAの筒香は4球目の真ん中低めの直球をはじき返し、対外試合初 アーチの同点3ラン。7回も2死二塁の好機で決勝の左翼線適時二塁打を放つなど、2安打4打点で4番の仕事を全うした。「球の見え方がだんだん良くなってきた。本塁打の次の打席できっちり打てたのが収穫」と満足そうに表情を崩した。

 昨年はいずれもチームトップの打率・300、22本塁打。プロ6年目の今季は中畑監督から4番に指名されたが、慢心はない。オフのテレビ出演オファーは全て断り、野球漬けの生活を送った。11月30日から約3週間行った米ロサンゼルス郊外での自主トレ。午前6時に起床すると、午後4時すぎまでウエートトレーニングなど8時間以上の練習を続けた。酒は一滴も飲まず午後9時には就寝。同行した飛雄馬が「高校野球みたいですよ。休日はないし、メチャクチャきつい。筒香は練習が終わっても野球の話をずっとしている」と驚きの声を上げた。

 ストイックな生活は沖縄でも変わらない。「酒を飲むとケガしやすくなるので極力控えている。お酒に弱くなりましたね」。夕食は宿舎で済ませ、キャンプ休日も室内練習場で打撃練習を欠かさない。最善の結果を求めて準備を大切にする姿勢。突き動かすのは危機感だ。プロ4年目まで結果を出せずに苦しんだ経験を糧にしている。

 4番の和製大砲にけん引されチームも対外試合3試合目で初勝利。中畑監督も「誰しもが同点に追いついてほしいと願っているところで打つのが理想の4番。勝ち越し打も良い仕事。言うことない。初勝利ばんざーい!」と声を弾ませた。筒香も指揮官に求められている役割は十分理解している。「まだシーズンに入っていない。シーズンで活躍したいですから。4番がずっと決まって活躍したら絶対強い。(4番で)固定される選手になりたい」。主将と4番を担う23歳。覚悟は固まっている。

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