“平成の名勝負”再び!松坂 松中相手にフリー打撃登板へ

[ 2015年2月20日 05:35 ]

右手薬指にできたマメを気にする松坂

 “平成の名勝負”再びだ。ソフトバンク・松坂大輔投手(34)は20日、今キャンプ2度目となるフリー打撃に登板。その相手を、かつて幾多の名勝負を繰り広げた松中信彦内野手(41)が務めることになった。この日は右手親指と薬指にまめができたため、予定したブルペン入りを回避。室内練習場で1時間20分ネットスローを行い、2015年型のフォーム固めに余念がなかった。

 あの熱狂がアイビースタジアムでよみがえる。キャンプ2度目の打撃投手に臨む松坂。その相手を平成唯一の三冠王・松中が務めることになった。

 「あした(20日)は松中、カニザレスです」と藤井打撃コーチは予告。単純に投げて、打つ。フリー打撃はあくまで調整が目的とはいえ、この2人の対戦は特別だ。

 「松中さんの3発(05年)を凄く覚えていますし、バットを折りながらホームランされた(01年)こともあった。いい思い出は強く残らない」

 昨年12月に福岡市内のホテルで行った入団会見ではそう、語っていた。一つ目の伝説は01年6月2日のダイエー―西武戦(福岡ドーム)の初回2死一塁。松坂は内角の直球で松中のバットをグリップの部分を残し、二つに折った。だが、打球は130メートル先の右中間席中段へ。「エッ?」という表情が浮かんだ。05年7月15日のソフトバンク―西武(ヤフードーム)はサヨナラ弾を含む1試合3発。通算でも130打数42安打の打率・323、12本塁打。松坂にとって、松中は最も一発を食らった“天敵”だ。

 思い出深い対決を前に松坂は入念な調整。午前中のキャッチボールでは右手の親指、薬指にできたまめを気にするしぐさを見せ、ブルペン入りはしなかったが、裂傷のあった薬指にはばんそうこうの上にテーピング。午後3時過ぎには“密室”にした室内練習場で1時間20分、ネットスローを行った。

 「いい形が出始めてきたので(投球フォームを)固めたいなと。方向性が見え始めた。あしたにつながると思った」と松坂。2015年型フォームに手応えをみせた。

 「実際にどんなボールを投げられるのか。打者がどんな反応をするのか見てみたいですね」。背番号18はそう、2度目の打撃投手のテーマを語った。対する松中は初実戦の15日の紅白戦で3打数2安打と好調を維持し、生き残りに懸命だ。

 9年ぶりによみがえる夢の対決。互いに立場、置かれた位置は変わった。しかし、この真っ向勝負はファンを熱くさせるだけではなく、松坂が次なるステップへ進むためにはこれ以上ない対決だ。

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2015年2月20日のニュース