広島ドラ3・塹江“ダル+東大の頭脳”最高スライダー披露

[ 2015年1月21日 05:30 ]

ブルペンで投球練習する塹江

 広島のドラフト3位・塹江(ほりえ)敦哉投手(17=高松北)が20日、大野練習場で初のブルペン投球を行い、持ち球すべてを含む35球を投げ感覚を確かめた。東大出身で横浜、日本ハムで8年間プレーした松家卓弘氏から助言を受け、ダルビッシュ(レンジャーズ)の握り方を参考にしたスライダーも投じた。将来性豊かな左腕は、どん欲に成長の糧を得る。

 表情にあどけなさの残る17歳は、明確な目的意識を胸にマウンドへと上がった。塹江は捕手を立たせたまま35球。直球に加え、カーブ、2種類のスライダー、チェンジアップ。持ち球全ての感覚を十分に確認し初めてのブルペン投球を終えた。

 「久しぶりなのでバラつきはありましたが、1球1球を大事に投げることができました」
 プロの世界で生き抜いていくため、早くもスライダーのフルモデルチェンジに着手した。従来はカーブのような変化と縦の変化の2種類だったが、カットボールと大きく、鋭く曲がるものの2種類に変更。きっかけはプロの先輩からのアドバイスだった。

 「“プロでは直球と同じ腕の振りで同じところから出てくる変化を使えた方がいい”と教えていただきました」

 昨年11月、日本ハムなどでプレーした松家氏が高松北高を訪問。秦敏博監督が高松高在任時に松家氏を指導していた縁で、技術面、精神面など多岐にわたる金言をもらった。「納得しないと変えないタイプ」と頑固者を自認する塹江も即座に受け入れた説得力ある言葉。この日のプルペンでも腕の振りと球の出どころを最大限に意識した。

 理想はダルビッシュが投じるスライダーだ。握り方もダルビッシュと日本ハム時代に2年間、チームメートだった松家氏から“伝授”された。

 「直球を十分に生かせるように、細かい変化球を使っていければ…」

 全ては最大の武器である最速150キロ直球を生かすため。「親指を浅く、抑え込んで投げる感じ」と表現する新球の習得に取り組んでいる。

 昨年末、塹江のもとに中日・山本昌著の「133キロ怪速球」など3冊の本が届いた。送り主はもちろん、松家氏だった。移動中などに熟読し頭の中での練習にも余念がない。

 「自分が一番、投手の中ではヘタな選手。一日一日、成長していかないといけないですから」

 東大の頭脳とメジャーを代表するまでになった投手の変化球。将来性豊かな左腕は、各分野の「最高峰のエキス」を取り入れ、厳しいプロの世界へと挑んでいく。

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2015年1月21日のニュース