陽川、豪快4番弾!平田ヘッドも大絶賛「おかわり君になれ」

[ 2014年11月20日 05:30 ]

紅白戦の7回無死、左越えに本塁打を放つ白組・陽川

 阪神の安芸秋季キャンプは19日、最終クール3日目を迎え、2度目の紅白戦が行われた。評価急上昇中のルーキー・陽川尚将内野手(23)が白組の「4番・三塁」で出場。7回に山本から左翼スタンドに豪快な一発を叩き込んだ。この日から1軍本隊へ合流した平田勝男ヘッドコーチ(55)も絶賛。「おかわり君になれ!」と西武・中村を例に出して鼓舞した。

 右打席に立つ陽川に、突然大きな声が飛んだ。「何とかしてみ!」。声の主は平田ヘッドコーチ。7回先頭で迎えた第4打席。マウンドには同じくルーキーの山本。初球のカーブを見送り、2球目のスライダーは空振り。翻弄(ほんろう)されている“愛弟子”に、見えない力を与えた。

 3球目、際どい内角低めの直球を見送り、4球目もボール。カウント2―2からの5球目。やや甘めに入ってきた内角直球を一閃(せん)。強烈な衝撃音を残して、打球は左翼の防球ネットに突き刺さった。

 「追い込まれている中で、うまいこと打てた。今のところ、いい感じに打てている。弾道も低かったので(スタンドに)入るとは思わなかった」

 謙そんする姿が初々しい。しかし、打球は立派な“大人”だ。初回1死二塁でも岩貞から左前適時打。見守った和田監督も「体にバットが巻き付いていた。1軍クラスの打球」と絶賛。しかし、それを上回るほどの褒め言葉を並べたのは、今季2軍監督として我慢強く起用してきた平田ヘッドコーチだ。「見事!」。期待に応えた背番号55に感服した。

 「タイミングを取るのが遅いタイプだったけど(和田監督も)あの一発を見られたらね。今のメンバーは1、2番タイプが多い。(長打を)打てるのは梅野、陽川くらい」。そして「目指すべきタイプ」を問われた瞬間、迷いもなくあるスラッガーの名を口にした。

 「おかわり君!」

 押しも押されもせぬ獅子の4番・中村剛也。過去5度の本塁打王、2度の打点王に輝いている強打者だ。「そうなってくれればね。理想は」。ポジションも同じ三塁。「虎のおかわり君」となるべく、陽川は少しずつ肌寒さを増しつつある安芸で、確実に熱い時間を送っている。

 「しっかりとレベルスイングができるように。一球で仕留められるように、来年以降も継続してやっていく」

 来春の沖縄キャンプ参加は決定的で、このまま成長カーブを描けば1軍のホットコーナーのダークホースとなり得る。20日で鍛錬の安芸は打ち上げ。いざ、飛躍の2年目へ―。最後の1スイングまで、全力で振り抜く。 

 ◆陽川 尚将(ようかわ・なおまさ)1991年(平3)7月17日生まれ、大阪府出身の23歳。金光大阪では1年夏と3年春に甲子園出場も、ともに初戦敗退。09年のドラフトでは巨人の育成3位指名を拒否して東農大に進学。東都2部通算で打率・318、23本塁打、リーグ史上最多の109安打をマークした。13年ドラフト3位で阪神入り。今季は2軍で98試合に出場。打率・241、6本塁打、38打点だった。1メートル79、86キロ。右投げ右打ち。

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2014年11月20日のニュース