駒大 完封リレーで13年ぶりV 東野「満点」最後はエース今永

[ 2014年11月20日 05:30 ]

胴上げされる駒大・西村監督

明治神宮野球大会

(11月19日 神宮)
 大学の部の決勝が行われ、駒大が明大を3―0で下し01年以来、13年ぶりの優勝を果たした。5度制覇は明大と並び最多。先発した東野龍二投手(1年)が5回無安打無失点。2番手のエース・今永昇太投手(3年)も4回3安打無失点と完封リレーで締めた。明大は今秋ドラフトでオリックスから1位指名を受けた山崎福也(さちや)投手(4年)が3失点を喫し、2年連続の準優勝に終わった。

 こん身の145キロ直球で最後の打者を空振り三振に仕留めると、今永は秋晴れの空へ両手を突き上げた。「肩も肘も張っていて万全じゃなかった。本当に信じられない」。同僚にもみくちゃにされ、3度胴上げされた。それでも夢見心地だった。

 「後半勝負になる。今永をとっておきたい」という西村亮監督の決断で3年生エースは0―0の6回から2番手で登場。8回2死満塁では厳しく攻めた内角球が高めに抜け、死球と判定されたが、審判団が協議し空振り三振に訂正。場内が騒然とする中その窮地を乗り切ると、最後まで自己最速タイの148キロを計測した直球で押しまくった。

 準決勝で好投したとはいえ、大一番で先発に抜てきされた1年生左腕の東野は今永に「後ろにいる。つなげ」と背中を押され、快投した。「直球で押すのは無理な相手。変化球を丁寧に投げた」。計測不能のスローカーブと速球で緩急をつけ、5回まで無安打。完封リレーで75年決勝で敗れた相手に雪辱し、指揮官も「東野は100点満点。今永もエースの投球だった。最後の最後までよくやった」と称えた。

 昨春は勝てば優勝の試合を落として亜大に逆転優勝を許し、昨秋は入れ替え戦も経験。もがき続けた名門が完全復活を遂げた。今大会は3試合で1失点と安定した投手陣を引っ張った今永は来年のドラフト候補に名を連ねる。「今年の成績が最低限。僕が良い投球をすれば、おのずとチームも上がってくる」。その表情には、たくましさと貫禄が漂っていた。

 ▼駒大・福山亮主将 うれしいという気持ち。それだけです。

 ▼DeNA・中畑監督 1年生の東野(ひがしの)君が5回無失点の好投で、勝ち運をつけてくれた。ウチにも(前オリックスの)東野(とうの)が入団してくれて、優勝に縁を感じる。

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