ダル契約延長へ サイ・ヤング賞2位も“5年目FA”前進

[ 2013年11月15日 05:30 ]

レンジャーズのダルビッシュ

 大リーグのサイ・ヤング賞が13日(日本時間14日)発表され、ア・リーグはタイガースのマックス・シャーザー投手(29)が初受賞。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は2位、マリナーズの岩隈久志投手(32)は3位に終わり、日本人初の快挙はならなかった。ダルビッシュは、6年契約の5年目終了時にFAとなれる特別条項(オプトアウト)の条件を一つクリアしたことで、球団はエースの流出阻止へ、早くも契約延長の検討に入った。

 サイ・ヤング賞の最終候補3人に名前が挙がっていたダルビッシュだが、結果はシャーザーに110点差をつけられての2位。それでも同賞では野茂(95、96年)と松坂(08年)の4位を上回る日本投手過去最高で、レ軍でも74年のファーガソン・ジェンキンスと並ぶ最高順位となった。

 ダルビッシュは球団を通じて「最終候補になったことは光栄。マックス(シャーザー)は受賞に本当にふさわしい。チームメート、球団、何よりも応援してくださったファンに感謝しています」と、英語でコメントを発表。2位に入ったことで、契約条項に含まれるボーナス20万ドル(約2000万円)も獲得した。

 今季は13勝9敗、防御率2・83で、277奪三振と被打率・194はともにリーグトップ。GM会議の会場に姿を見せたジョン・ダニエルズGMも「素晴らしい。まさにエースの働きだった」と賛辞を贈った。ただ、球団にとっては複雑だ。ダルビッシュとは17年までの6年契約だが、契約時にダルビッシュ側の意向で、5年目終了時にFAになれる特別条項(オプトアウト)を結んでいる。その条件が(1)サイ・ヤング賞を受賞し、別の年に4位以上1度(2)同賞投票で2位を1度、別の2年で4位以上――のいずれか。今回2位に入ったことで、5年目でのFAに一歩前進した格好だ。

 このため球団は早くも18年以降の契約延長を検討。同GMは地元フォートワース・スター・テレグラム紙に「延長の可能性はある。彼は球界屈指の投手。もともと6年契約を結んだ時に、その先もずっといてほしいと思っている」と語った。

 「チームの目標である世界一に貢献することを楽しみにしている」と来季への抱負を語ったダルビッシュ。水面下では契約延長への動きも加速しそうだ。

 ▽サイ・ヤング賞 レッドソックスなどで22年間プレーし、大リーグ歴代1位の通算511勝を挙げた大投手、サイ・ヤングの功績を称え、その年の最も活躍した投手に贈られる賞。選考は全米野球記者協会会員(BBWAA)による投票で決まる。ヤングが死去した翌年の1956年に制定され、第1回はドジャースのドン・ニューカムが受賞。67年以降はア、ナ両リーグから1人ずつ選出。最多受賞はロジャー・クレメンスの7度。

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2013年11月15日のニュース