2年間限定で新入札制度受諾 マー君好条件でメジャー行ける!?

[ 2013年11月15日 05:30 ]

ストレッチをする田中

 労組・日本プロ野球選手会(嶋基宏選手会長=楽天)は14日、日米間では合意していたポスティング・システム(入札制度)の新制度を、2年間限定で受諾すると表明した。今オフのメジャー挑戦が確実な楽天・田中将大投手(25)は、早ければ22日にも立花陽三球団社長(42)と会談し、今月下旬にも同制度の申請が可能になった。米国時間12月9日(日本時間同10日)から行われるウインターミーティング前に申請することで、より好条件で移籍できる見通しが高まった。

 東京から南西に約2100キロ。台湾の台中インターコンチネンタル球場で汗を流していた田中に朗報が届いた。新制度案の正式合意に「待った」をかけていた日本プロ野球選手会の松原徹事務局長が、都内の日本野球機構(NPB)で受諾する方針を表明した。

 練習を終えた田中は報道陣に囲まれ「まだ何も話すことはありません」と語るにとどめた。とはいえ、入札制度を行使する土壌は整った。今後は台湾から帰国する21日以降に立花社長と会談を行い、正式にメジャー挑戦の希望を伝える予定。今月末にも入札の申請が可能となったことで、田中に大きなメリットが生まれた。

 大リーグは例年12月上旬に行われるウインターミーティングで、オフの移籍市場が本格化する。交渉は大物選手が優先。ウインターミーティング前に田中が入札を申請すれば、各球団の補強予算はまだ手つかずで残っており、高額の入札も期待できる。実際、13日まで行われたGM会議の会場で、ア・リーグの球団幹部は「予算には制限がある。ダルビッシュ(日本ハム→レンジャーズ)の時も12月まで待たされたが、今回は待てないチームも出てくる」と早期解決を切望していた。

 11年オフにダルビッシュが入札を申請したのは、ウインターミーティング中の日本時間12月8日。すでに各球団のFA交渉は進んでおり、この前後にはFA市場の目玉だったウィルソン(レンジャーズ→エンゼルス)、バーリー(ホワイトソックス→マーリンズ)の両先発投手の移籍が相次いで決まった。

 新制度案は、日本の球団が得る金額が1位と2位の入札額の間に抑えられ、選手に複数球団から移籍先を選ぶ権利もないことから、選手会は異議を唱えていた。しかし昨年の契約更改交渉で田中から将来的なメジャー挑戦の希望を伝えられた球団側は、本人が今オフに望めば入札制度の利用を容認する方針。結局、選手会も問題の長期化は田中のメジャー挑戦を阻むことにもつながるため、2年間限定の条件付きで受諾した。

 今後、NPBは18日の実行委員会で12球団に諮り、承認を得られればMLBに合意を伝える。早ければ25~30日頃に新制度が発効する見込みだ。入札には、入札額と条件面の合計で1億6000万ドル(約160億円)を用意しているとみられるドジャースや、先発獲得が急務のヤンキースを筆頭に、10球団前後の参戦が予想される。「TANAKA」の争奪戦は、間もなく幕を開ける。

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2013年11月15日のニュース