加藤コミッショナー9月解任も 三木谷オーナー“ダメ出し”

[ 2013年7月11日 06:00 ]

会見を終えオリックス・宮内オーナー(右)と先を譲り合う加藤コミッショナー

 統一球が公表されずに変更されていた問題発覚後、初めてとなるオーナー会議が10日、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で開かれ、9月をめどに次期コミッショナーの選任方法を決めることで一致した。加藤良三コミッショナー(71)の責任問題は、9月末を期限とする第三者委員会の最終報告を待って議論されるが、楽天・三木谷浩史オーナー(48)は早くも次期コミッショナー像について言及。第三者委員会の最終報告を受けて開催する臨時オーナー会議で同コミッショナーの「解任」が決議される可能性が出てきた。

 オーナー会議終了後、50人近い報道陣に囲まれた三木谷オーナーは「第三者委の結論を待ってから」とした上で強い口調で話した。

 「コミッショナーに何を求めるのか。前向きに球界の拡大、事業の拡大を執行し、責任の取れる人を選ぶということ。常勤か、非常勤かといえば、私は常勤の方がいいのではと発言した」。6年ぶりに出席したオーナー会議での発言は、加藤コミッショナーに対する事実上のダメ出しだった。

 オーナー会議の中で加藤コミッショナーは統一球の問題について謝罪。記者会見ではあらためて辞意を否定したが、オーナー会議の中では「この地位に恋々とする気は全くない。野球界が素晴らしい人材を次に選ぶということについて協力したい」と話し、第三者機関による最終報告に進退を委ねる考えを明かした形だ。

 現在3期目の加藤コミッショナーの任期は来年6月末まで残る。野球協約では「コミッショナーの任免はオーナー会議が行う」としており、「正当な理由なく任期中に解任されない」とあるが、第三者委員会の報告内容が「正当な理由」と判断されれば、臨時オーナー会議が招集され、解任が決議される可能性もある。

 12球団側も対応に入った。オーナー会議では次期コミッショナーの選任方法を9月2日の機構理事会で議論することを指示。球団代表者レベルで叩き台をつくってから、オーナー会議で決議する。コミッショナーの不在期間が出ることを防ぐため、コミッショナーの選任方法を最終報告のめどである9月末に合わせて決定する方針も固めた。

 オーナー会議では複数のオーナーによる選任委員会の設立やコミッショナーの下に実務を担当する専務理事を置くことなど具体的な案も出ている。一部の球団は従来通りの選出方法の継続を主張しているが、統一球の無断変更を球界改革のきっかけと考える球団も多い。昨年7月の加藤コミッショナーの再任決議の際に「選任方法の明確化」を訴えた楽天などは急先鋒(せんぽう)だ。三木谷オーナーの発言が今後の方向性を打ち出した形だ。

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2013年7月11日のニュース