松井に国民栄誉賞も!王さん、衣笠氏以来、プロ野球3人目へ

[ 2012年12月29日 08:03 ]

両目に涙をためて引退会見をする松井

松井秀喜引退

 日米で20年にわたり活躍したゴジラの引退。安倍晋三首相のもとで発足したばかりの新内閣からも、功績を称える声が相次いだ。

 菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で「国民に希望と大きな喜びを与え続けた大選手だった。驚きとともに残念だ」と惜しんだ。

 岸田文雄外相も会見で「プロ野球ファンの一人としても大変寂しい。日米両国の野球ファンを勇気づけ、沸かせた功績は誠に大きい」と絶賛。石原伸晃環境相は「本当に残念だ。ワールドシリーズで最優秀選手になったときは感動した」と振り返った。

 国内の枠にとどまらない世界的な功績に、閣僚らの反応は極めて敏感。77年、本塁打世界記録を達成し第1号受賞者となった王貞治氏、87年に連続試合出場世界記録を樹立した衣笠祥雄氏に次ぐプロ野球選手3人目となる国民栄誉賞受賞も現実味を帯びてくる。

 大リーグに挑戦した日本人野手で、100試合以上出場を5年以上記録したのは、ヤンキース・イチロー(39)と松井だけ。米通算175本塁打は、日本人歴代最多だ。イチローは01年、04年の計2度、国民栄誉賞の打診を受けながら固辞した過去があるだけに、遜色ない実績を残した松井にも期待が高まる。

 発足したばかりの自民党政権にとってもメリットはある。賞を創設した故福田赳夫元首相が「低迷する支持率回復のため、王人気にあやかった」と揶揄(やゆ)されたように、歴代の首相はしばしば、授賞を政権浮揚に利用した側面がある。来夏の参院選で衆院選に続いて圧勝を目指す自民党にとって、授賞によるイメージアップは望むところ。首相官邸で表彰を受けるゴジラの雄姿が、近いうちに見られるかもしれない。

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2012年12月29日のニュース