黒田 激白「松井がいたから僕も米国に来た」

[ 2012年12月29日 06:00 ]

10年、試合前に談笑するドジャース・黒田(左)とエンゼルス・松井

松井秀喜引退

 【ヤンキース・黒田が激白】

 彼がいなかったら、僕はここまで来られなかった。プロ入りした97年。最初に三振を奪った相手が松井でした。体の迫力からして別次元。よく打たれましたが、彼との対決は選手生活の財産。何とか抑えたいと全精力を注ぎ込み、それが向上心となって投手として大きくなれたと思います。

 本塁までの18・44メートル。集中してくると、松井と2人だけの空間に感じられた。完璧に打たれると、その瞬間は物凄く悔しい。でも打球がスタンドに飛び込むころには、あそこまで飛ばされたら仕方がないと、すがすがしい気持ちになった。それが打者・松井でした。

 だからこそ、彼のメジャー挑戦は、僕にとっても大きなことだった。メジャーに憧れたことすらなかったのに目を向けるようになった。松井がいたから、僕も米国に来たと言っても過言ではありません。メジャーでも、あの空間で渡り合いたかった。今は心にぽっかり穴が空いた感じです。

 僕もヤンキースのユニホームを着たことで、あらためて松井の凄さを認識しました。ここで7年間もプレーすることが、いかに大変なことか。彼がレイズと契約してヤンキースタジアムに戻ってきた時、ファンの声援にはビックリさせられました。引退は寂しい。一つの時代が終わった気がします。

続きを表示

2012年12月29日のニュース