松井 米国で学んだ「一番はやはり、全てが実力次第」

[ 2012年12月29日 06:00 ]

会見中に時折笑顔を見せる松井

松井秀喜引退

 【松井に聞く】

 ――引退を決断したタイミングは。

 「そういう(引退)気持ちは常にありました。やはり野球が好きですし、プレーしたいという気持ちが心の中にあったのも事実です。でも、少し時間を置いてゆっくり考えながら決断しようと思っていました。そういう(引退に)気持ちに傾いたのはつい最近ですね」

 ――日本の球団からもオファーがあった。

 「確かにそういうありがたいお話もいただいておりました。ただ、日本に戻ってまたプレーするということになれば、10年前の姿を見たいと思って期待してくださっているファンの方々が、たくさん出てくると思うんですよね。正直言いまして、自分がその姿に戻れる自信は強くは持てませんでした」

 ――20年間で一番思い浮かぶシーンは。

 「やはり、長嶋監督と2人で素振りした時間ですかね」

 ――現役時代でやり残したことは。

 「自分がその時その時に考えて、決断したことに関しては何一つ後悔はないし、そういう気持ちはないですね」

 ――日米通算507本塁打という数字は。

 「ホームランというのは確かに僕の魅力の一つだったかもしれないですけど、僕が常に意識したことは、やはりチームが勝つこと。そのために自分が何をするか。そのために自分がどういうプレーをするか。それしか考えていなかった」

 ――今の心境は。

 「もちろん寂しい気持ちもありますし、ホッとした気持ちもあります。非常に複雑ですね。やっぱりね。皆さまから見たら引退という形になるんでしょうけど、僕はあまり引退という言葉は使いたくない。これからまだ草野球の予定も入ってますし、まだまだプレーしたいなと思っています」

 ――米国社会から一番学んだことは。

 「そうですね、たくさんあると思いますけど、一番はやはり、全てが実力次第。そこが一番じゃないですかね」

 ――大リーグを目指す後輩に声を掛けるなら。

 「もうそこに飛び込んでプレーするだけですから。もう自分を信じてプレーする以外ないような気はします」

 ――自分に掛ける言葉があるとしたら。

 「よくやった、という気持ちはないです。もう少しいい選手になれたかもね、ですかね。今、出てくるとすれば」

 ――あすから何をする。

 「生きている以上、日々何かを学ぶということは大切だと思いますね。そういうことに時間をまずは費やしていきたい」

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2012年12月29日のニュース